十四朗亭の出納帳

アニメの感想、ゲームホビーの感想など 作品のジャンルにこだわらず書いていく予定です,SSとか書いてます

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十四朗

Author:十四朗
(じゅうしろう)と読みます
ロボとか好き東方も好き
趣味の守備範囲は日々拡大中
東方の霖之助SSが主流です
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大体マルチ対応ゲームやってると思います。

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『ミリ鈴仙インターバル』

最近はSS更新ほったらかしだったのでサクッとリハビリがてらに鈴仙さんのSSを投下。
いい加減紅楼夢へ向けての諸々が終わるといいなぁ……。
紅楼夢新刊についての情報はまた後日、更新しようと思います。
予告しておくと今回の新刊、私の担当パートは先代です。

さて、今回登場する銃は『ブローニングM1918』通称『BAR』
やや古い銃ですが非常にスタイルが美しい銃です。
ブラックラグーンの双子とかボニーとクライドの片割れクライドが使っていた銃ですね。

私個人としてもBARは中々好きな部類に入ります。
絶対黒髪美少女みたいな外見しているって。絶対スレンダー系だって。


『ミリ鈴仙インターバル』


鈴仙、にとり、レイセン2号、霖之助










無理に動かすと腕の傷に触る。というにとりの憂いは結果から言って杞憂だった。
一週間後には腕のギプスを外し、
その翌日には何事も無かったかのように日々のトレーニングを行なっていたのだ。

2号の白兵戦訓練は片手で行い、まだ満足に動かない右手を使って銃の分解清掃も行う。
とはいえ流石に今までのような訓練を2号に施す訳にもいかず、
傷が完治するまで2号の教育は座学を中心としたカリキュラムへと変更となった。

ただし今まで通り、にとりや霖之助が修復した銃の動作確認や射撃テストは鈴仙が実施する。
これだけは鈴仙の強い希望で続行されていた。

香霖堂の裏庭から2号の悲鳴が聞こえてこないつかの間の平穏。
しかし、だからといって2号への肉体及び精神の鍛錬が無くなる訳ではない。
ここ最近、鈴仙は毎日2号へ『穴を掘り埋めるだけの作業』を命じている。

穴を掘って埋める。ただ埋める。とにかく掘らせて埋めるだけの作業。
何かを埋める訳ではない。生ゴミの集積所を作る訳でも、
畑として耕す訳でも、土嚢を作る為の土を集めている訳でもない。
裏庭に人一人が入れる程の穴を掘らせ、また埋め戻す。誰にでも出来る簡単な作業だ。

最初の内は2号も訓練だと思って真面目に取り組んでいた。
午前中から昼を跨いで立派な穴を掘り、鈴仙へと笑顔で報告する。
報告に対して鈴仙は眉一つ動かさずに「では埋め戻しなさい」と命じた。
これが一日目。二日目も同様に、ただ少しだけ2号の笑顔が引き攣っていたが概ね同じだった。
三日目には泣きそうな顔で穴を掘る意味と埋め戻す意味を問うた。
だが鈴仙は答えず「掘れ」と「埋めろ」しか答えない。

六日目を過ぎた時点で2号の眼から光が消えた。
今や彼女は穴を掘っては埋め戻すだけのマシーンと化してしまったのだ。

あまりにも酷い話ではある。
聞けば外の世界に伝わる拷問方法を精神鍛錬と肉体訓練に流用したらしい。

肉体の方はともかくとして、精神の方は鍛錬するどころか壊れていく一方なのではと思わなくもない。
現に2号は今、スコップを片手に在りもしない蝶々の幻影を追いかけている。
誰か香霖堂の中にお医者様はいないのだろうか。

「私ですが。とはいえ、現状では医者見習いと言った方が正しいかもしれませんね」

「ありゃ、口に出てた?」

「バッチリと。先に言っておきますが私はただ苛めたくて2号に穴を掘らせている訳ではありません」

「報われない労働による精神疾病の進行具合をレポートにでも纏めるよう八意先生に言われた?」

「言われていません。確かに彼女は被験対象としては優秀ですが、壊してしまっては元も子もありませんよ」

「いや、もう完膚なきまでに壊れてるよね。私でもレンチをぶん投げるよあれ」

半ばまで掘り進めた穴を放置し、2号は見えない『お友達』と話をしている。
傍らには霖之助が立っており、彼女がふらりと何処かへ逃げ出さないように見張っていた。
気の毒そうな霖之助の視線を他所に、2号は構わず『お友達』との会話を続けた。

「今日はですね、穴を掘って埋めるんです。埋めなきゃいけないんです。
 私は穴を掘って埋めるのです。
 掘って埋めて掘って埋めて、世界中に穴を掘って埋めるんです。
 素敵ですよね?」

見るに耐えない状況ににとりは思わず目を逸らせた。酷過ぎる。

「思った以上に理性の崩壊……もとい、揺らぎが進行しています。
 いけませんね、肉体だけではなく精神面でも彼女を鍛えるのが私の仕事なのですが」

「ねえ、本当に戻るの!? アレ戻るの!? 元に戻るの!?」

「穴を掘っている時以外は至って普通です。食事の時間になれば元通りになるでしょう」

「そ、そう。そりゃ良かった」

「なので最近は寝る前に鏡の前に立ち、貴方は誰だ? 
 と言うように命じました。これも外の世界で行われた拷問兼実験だと言われています」

「加速させてるよね、それ……」

「自らの狂喜に囚われない事もまた兵士の重要な資質です。
 自らの狂喜を制御出来るようになったらカウンセリングと精神安定剤を処方しておきましょう」

「今日ほど2号を哀れんだ事はないよ。
 依姫さんも何でこんな兎に自分の部下を……もういいや、この件はもう何度も自問したし」

「私としても深く考えていただかない方が嬉しいです」

「最近は鏡の中にもお友達が出来たんです。
 白くてふさふさした耳の女の子で……私の真似っ子するんですよぉ~」

2号の妄言には目を瞑り、耳を塞いだ。良心が痛むがにとり自身の精神衛生上止む負えない措置である。
今しばらく、2号の相手は霖之助に任せておこう。

「さてどうでもいい、もとい。世間話はこの程度にしておいて、本題に入りましょうか」

「どうでもよくはないけど、どうにもならない事ではあるね」

「何事も諦めは重要なものです。さて、にとり。今回は素直に褒めておきましょう。よくやりました」

「鈴仙が褒めるなんて珍しい。何か怖いな」

「何も怖くはありません。私は思った事しか口にしませんから。
 つまり私が何時もアナタを馬鹿にしたような発言をしているのは本心から馬鹿にしているからなのです」

「もういいから本題にいけよ! いちいち一言多いな!」

作業台の上に置かれた銃を鈴仙は手に取り、ハンドガードに軽く手を添え、撫でるように全身を見つめる。
長い銃身に木製ハンドガード。ストックも同じく木製で、弾倉はシンプルな形をしたボックスマガジン。
全体的な印象として長く、そして大きい。

「では本題に。軽く触っただけですが、感触で分かります。この銃は素晴らしい。
 まず美しい。簡素で必要最低限に纏められた機構。オプションはバイポッドだけ。
 昔ながらの木製ハンドガードとストック。細く長い銃本体のシルエット。
 多様化され、汎用化の為に様々な装備を後付け可能な突撃銃も魅力的ですが、
 この銃はそれとはまた違った素晴らしさ。
 銃弾を発射する機構というものの美しさが際立っています」

「本当にベタ褒めだよ。気持ち悪いぐらいだね」

「私とて物事を美しいか醜いかで判断する心ぐらい持ち合わせています。
 あまりに過剰な装飾は銃においても人においても敬遠したいものです。
 この銃を人間に喩えるならそう、
 黒髪でシンプルなワンピース姿をした長身の女性といったところでしょうか。
 存在感はありますが、主張は少ない。
 人ごみの中で見かけたら、ごく少数の男性が振り向くだけのそんな女性です」

「幻想郷には縁遠い女性だこと」

「そうですね。まあ、この銃に対する外見上の評価はこんなところですよ。
 先程触った際に感じた事ですが、この銃、それなりに古い物ですね」

「うん、それは私も思った。見つかった時の状態はかなり酷かったよ。
 金属の劣化具合からいって、百年近くは前の銃じゃないかな」

「見たところフルオートマチックとセミオートマチックの切り替えが可能なようですね。
 それだけ昔の銃となると大抵はボルトアクションが主流だというのに。随分と先進的ですね」

「それだけじゃない。ずっと昔の銃だっていうのに、
 構造自体は洗礼されていて最近の物にも通じる所がある。
 重量面や銃身交換機能が実装されていないという欠点はあるけれど、
 修復作業を行いながら私が感じた設計思想、運用思想には現代の銃と幾つか共通項があるように思えたよ。
 ライフル弾の運用を考えある程度発射レートを落としながらも、全面への火力は不足ない。
 機構が簡素だから頑丈で故障も少ないだろうし、給弾方法はベルトリンクよりも堅実な箱型弾倉だ。
 些か装弾数で劣るけれど、当時は信頼性の高いベルトリンクなんてまず望めないだろうからこれも正しい。
 総合してみると実によく設計され、実際の運用を考えたいい物だった。これを設計した人間は誇っていいよ」

「褒めるという点ではアナタも同じですね。珍しく意見が合いました」

「本当にね。何時もは大抵不平不満から始まるっていうのに」

「私は堅実な物が好きですから。変に奇をてらった物よりも、簡素である方が信頼性は高い。
 アナタはただ面白いというだけで妙な銃ばかりを修復し、私に撃たせる」

「いいじゃん、私は好きだよ。特に大口径拳銃なんかは使用弾薬と同じだけ大切な物が詰まっているんだよ」

「趣味の代物です。重くて取り回しが困難でかさばる代物は扱い難い。
 自身の愛銃とするならば9mm弾を使用する拳銃が一番です。
 携帯性と威力の両方が程よく両立していますから」

「今使ってるのとか? 個人的にはあんまり面白くなかったけど、
 まあ気に入ってくれているのなら別にいいかな」

「ええ、壊れるまでは使わせていただきます。もっとも、壊れても直してもらいますがね」

「はいはい、じゃあ始めようか。今回も撃った感想とアドバイスよろしく」

「こちらこそ。テスト終了後の改善と保管、よろしく頼みます」

弾薬の入った弾倉を叩きこみ、ボルトを引く。
弾倉から薬室へ弾薬が送り込まれ、カチリと金属同士が噛み合う音がした。
ストックを肩に当てハンドガードを保持。グリップを握り、人差し指を引き金に掛ける。
今日も鈴仙は銃を握り、そして撃つ。別段何かと戦っている訳ではない。撃ちたいから撃つ。
にとりも同じようなものだ。直したいから銃を直す。
理由はそれだけ。大義や正義といったものは欠片も存在しない。

昨日までと同じように今日も香霖堂の裏庭に銃声が響いた。
火薬が撃発する連なって空へと響く。
すっかり生活音となってしまったこの音は、きっと明日も鳴り響くだろう。
店主と兎と河童と見習い兵士達の騒がしい日常はまだ終わりそうもない。

Comment

そいやこの鈴仙にL85を撃たせたらどんな罵詈雑言を言うんだろw
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  •  | 2012/09/18/21:05:16
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