十四朗亭の出納帳

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十四朗

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『れーむちゃんおでかけ』

今回はれーむちゃんSS。
のんびり続けていたシリーズですがそろそろ佳境といったところでしょうか。
おそらく他に並行させているシリーズと同じぐらいの時期に終わりそうです。


『れーむちゃんおでかけ』


霊夢、慧音、霖之助












「おでかけーおでかけー楽しい訳でもないー」

「仕方ないだろう、君に関する事なんだから君がついてこなくてどうする」

「楽しくないからついていかないとは言ってない。
 霖之助さんについていけばご飯が食べられる。つまり美味しい。
 これはついていくしかない」

「こっちで食事をするじゃどうかはまだ決めていないけどね」

「ご飯食べさせてくれないなら悪い妖怪。悪い妖怪は敵、おばさんがそう言っている」

「君の主導権を奪われているな」

「敵は妖怪」

キメ顔で言われても困る。
腰に差したお祓い棒を揺らしながら、霊夢はスキップをして僕の後ろを歩いた。
いつも通りの無表情と相まってさほど楽しくないように思える。

「私お蕎麦さんが食べたい」

「後でな」

「私お蕎麦さんが食べたい」

「用事が済んでからな」

「私お蕎麦さんが食べたい」

「人を待たせているんだ。あまり長く待たせては失礼だろう」

「私天麩羅お蕎麦さんが食べたい」

「要求を釣り上げるな。大体なんだ、天麩羅蕎麦が食べたいだって?
 いいか霊夢。蕎麦はたぬき蕎麦以外の選択肢を認めない。
 熱々の出汁に弾けるようなあげたの揚玉を乗せて冷めない内に食べる。 
 これが王道にして覇道。故にたぬき蕎麦以外の蕎麦は全て邪道だ。分かったかい霊夢」

「ひやしたぬきさん」

「……二度とその反人類的な料理の名前を口にしないでくれ」

「可愛いのに。たぬきさん可愛いのに」

あのような反人類的料理が可愛いなど断じて認めない。
たぬき蕎麦とは温かい蕎麦の事であり、温かい蕎麦と言えばたぬき蕎麦なのだ。
僕は整備された人里の大通りに目をやる。
左右に商店、行き交う人々。すれ違う何人かの知人。軽く会釈をしてそのまま通り過ぎる。
そうして霊夢と二人連れ立って歩く内に里の中心部へと到着した。
里の中心は広場になっており、そこを取り囲むように商店や露天が開かれている。

その中に一人の友人を見つけた。
血行の良さそうな肌に、長い蒼銀の髪。女性だが背は高く、一般的な成人男性程はある。
通り掛かる人々は皆彼女の顔を見ると「こんにちは、先生」と挨拶をした。
それに対して女性は、一人一人の名前を呼んで挨拶を返した。

「やぁ、霖之助。久しいな」

僕の存在に気がついた女性が手を上げて僕に声をかけた。
雑踏の中でもよく通る明瞭な声だった。

「すまない慧音。待たせてしまったようだね」

「うむ待ったな。
 妙齢の女性を待たせるというまるで駄目で男気の欠片もない恥知らずな行為だったが、私は気にしていないよ」

「そうだな。君は昔からそうやって僕の反論できない点を狙い撃ちにしてくる嫌な女性だった」

「決していやらしい女という意味ではないぞ」

「僕は何も言っていない」

「まぁ、そんなほのぼのとした世間話は今日の夜に布団の上でするとして。この子が博麗の巫女だな?」

「そうだ。当世博麗の巫女、博麗霊夢だ。ほら霊夢、挨拶しないさい」

「よーっす」

「よーっす、私は上白沢慧音だ。君の事は何度か人里で見た事があるよ。
 妖怪退治の依頼を受けていたようだが、まだ幼いのに凄いものだな」

屈んで目線を合わせた慧音に霊夢は気の抜けるような挨拶をした。
僕の友人だから多少楽にしても構わないが、礼儀としては非常に問題が残る。
しかし子供の扱いに慣れている慧音は苦い顔一つせず霊夢と同じように挨拶をした。
長年人里で暮らしていると子供の扱いにも長けてくるのだろう。
やはりこういった点は彼女の長所だ。

「それほどでもない。激流に身を任せ同化すると妖怪が命を投げ捨てる」

「よく分からないが凄いのは伝わった」

霊夢は相変わらずジト目で睨むような表情をしているだけで、にこりとも笑わない。
対する慧音は人の良さそうな顔でにこにこと笑っていた。

「そうだ、まずはお近づきの印にこれをやろう。
 先程向日葵畑の妖怪が里にやって来てな、買い物ついでにお裾分けとして貰ったんだ」

慧音がポケットからリボンで封をされた袋を取り出して霊夢に渡す。
早速霊夢はリボンを解いて中身を確かめた。

「ビスケット」

「うむ。外の世界のペンギンという動物を象ったものらしい」

中から出てきたのはビスケット。
慧音の言うように外の世界の動物であるペンギンの形に整形され焼き上げられていた。
それらが袋の中に何枚か入っており、大小やデザインが一つ一つ違っている。
向日葵畑の妖怪も中々小粋なお菓子作りをするものだ。
お菓子作りの分野においては一般的に見てもかなり高い技量を持っている事が窺い知れる。
本当にお菓子作りの分野だけは。

「食べていい?」

「あぁ、どうぞ」

「霖之助さん」

「なんだ、僕にもくれるのか?」

「あげない」

「じゃあなんだ」

「ペンギンさん家族」

霊夢が何枚かのビスケットを取り出して僕に見せた。
大きいペンギンにやや小さいペンギンのビスケットが一枚ずつと子供ペンギンを象ったビスケットが二枚。
成る程、確かにペンギンの家族のように見えなくもない。
いくら変わっているとはいえ、霊夢も所詮は人の子。歳相応に幼い部分もあるという事か。

「一番大っきいのがお父さん」

「ふむ」

「まずは父親からだ覚悟しろ」

一番大きいペンギンのビスケットに齧り付く。
前言を撤回しよう。やはり彼女に歳相応の幼さを求めるのは酷だった。
少なくとも歳相応の少女はこんな台詞と共にビスケットを齧ったりしない。

「さて、そろそろ本題に入ろうか。何処かで腰を下ろして話をした方が都合がいいな」

「お蕎麦さん」

「ん?」

「お蕎麦さん食べたい」

「蕎麦屋か霊夢。お前は中々渋い趣味をしているな」

「お蕎麦さん」

「うむ、では私も蕎麦にしようか。とろろ蕎麦で精力をつけよう。なぁ、霖之助」

「僕はたぬき蕎麦だ。君は勝手に元気になって勝手に発散していろ。自分一人で」








まず僕が霊夢の言う「おばさん」なる人物を探す為に僕は人里に住む上白沢慧音を頼る事にした。
彼女は僕と同じ半人半妖、もっと詳しく言えば半人半獣の身だ。
僕が彼女の事を古い友人と呼ぶのもそういった訳がある。

彼女とは僕が幻想郷にやって来た頃からの知り合いだ。
とはいえこの話をしていると長くなってしまうので割愛する。
僕が彼女に協力を求めたのは彼女が持つ能力『歴史を食べる程度の能力』と『歴史を創る程度の能力』が霊夢のおばさん探しをする上で重要な手がかりになると踏んでの事だった。

いや、あるいはそれ以上のものを期待しているのかもしれない。
彼女の『歴史を創る程度の能力』によって纏められた歴史の中に、
霊夢のおばさんに関する記述が存在するかもしれないという可能性。
そこに賭けてみようという訳だ。

「子供の親探しだな。いや、親探しそのものか」

蕎麦を食べ終わり、食後の蕎麦湯を啜りながら慧音が言った。
霊夢は僕の隣で食後の蕎麦饅頭を頬張っている。

「親じゃない。おばさん」

「しかしそのおばさんなる女性はお前を育て、巫女としての教育を施した。
 おまけに霊夢自身も良く懐いている。これはもう霊夢の母親的存在と見ていいだろう」

「確認だが、人里でそれらしい人物を見た事はあるかい?」

「いや、残念ながら。何度か霊夢を見かけた事はあったが、それらしき女性を見かけた事はない。
 この点については私が後日里の者に聞いてみよう。時に霖之助よ」

「なんだ」

「単純な質問だが、おばさんが霊夢の保護者ならば神社にでも会いに行けばいいんじゃないか?
 案外簡単に会えるかもしれないぞ」

「何度か試したよ。だが会えた試しがない」

「嫌われているのか」

「単純に留守だっただけだ。何故その答えが咄嗟に浮かんだのか僕には些か疑問だよ。
 霊夢曰く、最近は偶にしか神社に顔を出さないらしいから、僕が神社に行っても会える確率は低い。
 それにどうも彼女のおばさんは霊夢以外との接触を避けている節がある」

「やはり嫌われているじゃないか」

「会った事もないような人物だぞ。何故僕が嫌われる」

「うーむ、人の好みは多種多様だからな。お前の何かが癪に障ったのかもしれないぞ」

「確かに、彼女は霊夢に僕の監視を命じたが……この監視は僕への接触とも受け取れる」

「自意識過剰だな。それにお前はついさっき、彼女は霊夢以外との接触は避けているようだと言ったじゃないか」

「直接的な接触を避けているだけかもしれない。これは霊夢を介しての間接的な接触かもしれないぞ」

「尚の事話が見えてこない。何故態々幼い子供を使ってお前に接触をする? まどろっこしいだけだろう」

「直接的に接触できない理由があるのか、それとも遊んでいるだけなのか」

「自意識過剰の次は被害妄想か。お前らしくもないな」

「それだけ彼女の意図が不明瞭に感じるんだよ」

「何にせよ理解した。良いだろう、彼女に関する歴史を探ってやる」

「ありがとう慧音。また後日ご馳走しよう」

「うむ、布団の中でな」

「月に頭突きでもしてろ」

蕎麦の代金を置いて席を立つ。今回は協力を依頼する手前、僕が三人分の食事代を負担した。

「さて、となれば私の家で資料を漁る必要があるな」

「僕も協力するよ」

「お前と二人きりで互いの体を調べあい、歴史を創るのだな。
 霖之助、今日のお前は中々に積極的だぞ」

「いや、ないよ。妄言もそのくらいにしてくれ。
 そもそも二人きりではなく霊夢が居る」

「堅物の私なりに場を和ませる発言をしたつもりなのだが。
 まぁいい、とにかくまずは情報の洗い出しだ」

慧音と並んで歩き出す。
膨大な歴史の中から限定するとはいえ、手掛かりを探しだすのは大変な労力を伴う作業だろう。
夕刻を過ぎるようであれば里で食事をしてから帰る事になる。
そんな事を考えながら歩いていたが、ふと違和感に気づいた。

足元を見る。霊夢が居ない。
軽く周囲を見渡す。見つからない。迷子か。

「慧音、霊夢がはぐれたようだ」

慧音の肩を叩いて道を引き返す。蕎麦屋の前へ。
再び周囲を見渡すが霊夢の姿はない。
はぐれた際に自分一人で歩き出したのか。
僕の胸中に一抹の不安が芽生える。
何事もないと思うが、普段の霊夢ならこんな失敗は、普通の子供がするような失敗はしないはずだ。

――何処に行った。

里の中心まで歩き、広場を眺める。
商店や露天、特に霊夢が興味を示しそうな屋台などを重点的に調べた。

「霖之助、あそこに」

慧音に指摘され、彼女が指差す方向に目をやる。
そこには霊夢と僕の知らない女性が居た。
畳んだ日傘に、ドレスのような洋服を見にまとった金髪長身の女性。
角度が悪いのか顔を視認する事ができない。
霊夢は女性に買い与えられたと思わしきりんご飴を手にしていた。

「知らない人物から食べ物を貰うなとあれ程言っているのに」

僕はひとりごちながら霊夢の元へ向かった。
すると女性は霊夢の頭を撫で、雑踏みの中へ。
霊夢が手を振って見送る。

奇妙だ。あの霊夢があんなに愛想よく他人と接するとは。
見たところ見慣れぬ女性だったようだが、一体。

「まさか……」

歩調が駆け足になる。慌てて慧音が僕に一歩遅れで走りだす。
見た事のない女性。
奇妙なまでに愛想のいい霊夢。
与えられたお菓子。

一つ一つの細い糸が寄り合い、一本の紐になっていくのが感じられた。

「霊夢」

思わず大声で霊夢に呼びかけた。
霊夢は特に驚いた様子もなく、僕達の方を向いて「よーっす」と手を上げて応えた。

「霊夢、今の女性は?」

「りんご飴買ってくれた」

「そうじゃない。彼女が君のおばさんなのか?」

女性が去っていった方角を見つめる。
雑踏、通りを挟んで左右に存在する商店。
あの女性は――

慧音に霊夢を任せて僕は駆け出した。
霊夢から答えを聞いている暇はない、後でも出来る。
だがあの女性をここで逃してしまうのは、何か重要な手掛かりをふいにしてしまうような気がしてならなかった。

往来の人々をすり抜け、女性を探す。
見つけた。左右に別れた通りを右に曲がる金髪長身の女性。
女性の後を追って僕も右に。

しかし不思議な光景だった。
僕が人々を避けながら走っているのに対して女性は通りの人々を避けようともしない。
避けているのは通行人の方だった。
彼女が一歩進む度に僅かにだが人通りに隙間が生じる。
その隙間を女性は優雅に歩いているのだ。
結果、走りながら他人を避けている僕は中々女性に追いつけないでいる。

女性は左に曲がる。
今度は通りではなく、建築物と建築物の隙間に生じた小路、いわゆる路地裏と呼ばれる道に消えた。
路地裏。この先に住居でも構えているのだろうか。
いや、そもそも里の人間かどうかも怪しい。もし里の人間に霊夢のおばさんが居るならば慧音が気づくはずだ。
それに霊夢の「会えなくなる」や「時々会う」等の発言と辻褄が合わなくなる。
では何故路地裏に。

そんな疑念を抱きながら、ドブ板が敷き詰められた路地裏を駆け抜けた。
右に、左に、次を左に、次は右に。
曲がりくねってはいるが、この道は一本道になっているだ。そして終点は行き止まり。
追い込んだという確信を得た。

最後の角を曲がる。するとそこには。

「居ない……?」

誰も居なかった。
ただ薄暗い建築物の影が支配する湿った空間があるだけで何もない。
あの女性は何処に? 疑念。無論、途中ですれ違う事もなかった。
すれ違えばすぐに分かるし、彼女に話し掛ける。
左右の塀をよじ登った。ナンセンスだ。そんな事していれば僕が追いつく。

ではあの女性は一体何処に消えてしまったと言うのか。
この建物と建物の間に生じた隙間に消えてしまったとでも言うのか。

「はい。お察しの通り私はスキマの中へ消えました」

突然背中の中に氷を放り込まれた気分だった。
女性の声。氷柱を耳の中へとゆっくり、ゆっくり入れられていくような感覚。

何故だろう。
声だけだというのに僕はこの声の主に不安と不信と不満と不許と不快を綯い交ぜにした感情を抱いた。
慧音の声が大多数の人間に対して好意的な印象を与えるような声だとしたら、この女性の声は真逆。
否定的な、負の印象を抱かせる声。

「貴方のような殿方が婦人の後を追い掛け回すなんて、褒められた行為ではありませんわ。
 もっと紳士的な方法が望ましいと思いません?」

「すまない。探し人をしていてね。君がそうじゃないかと思ったんだ。
 他意はなかった。どうか非礼を許して欲しい」

「博麗霊夢のおばさんについて探していたのね」

「どうしてそれを?」

振り向こうとして女性が制止した。

「今はまだ私と向きあう必要はありません。
 私と貴方が出会うのはもっと先。そういう運命ですもの」

「待て。僕は君と話をしなくてはならない」

「その必要はないわ」

「何故?」

「私はあの子のおばさんではないもの。
 あの子に近しい者ではあるけれど、あの子がおばさんと呼び慕う存在ではないのよ」

「じゃあ君は誰だ? 何者なんだ。霊夢に近しい人物ならば」

「勿論、おばさんなる人物の事も知っているわ。けれど――それは自分で探しなさい。
 私が手助けしては意味がないわ。そういう賭け事ですもの。
 賽を投げたのはあの子。胴元もあの子。賭けたのもあの子。でも結果を出すのは貴方よ、森近霖之助」

「僕が結果を? 悪いが僕は賭け事をやらない質でね。そういったものには縁がないんだ」

「縁がないとはまた冷淡な事を言うのね。誰のせいでこんな事になったと思っているのかしら」

くすくすと笑い声が聞こえる。僕を詰っているようだ。
しかし今は怒りよりも当惑したという感情の方が強かった。
まるで話が見えてこない。賭け? 僕が原因? 何の事だ。
僕が一体何をしたというのか。何を……してしまったというんだ。

「さて、私はこれで」

「待ってくれ最後に一つ聞きたい事がある」

「何かしら。しつこい男性は好きになってしまうタイプなの」

「君が霊夢のおばさんでないのなら、今回の件で協力する気がないのなら何故あの子の前に現れたんだ?」

「それはもう当然、気まぐれ以外の何者でもないでしょうね。少し賽に悪戯をしてみたくなったの」

「たったそれだけの事か」

「ふざけるな」と怒鳴ってやるつもりで振り向くとそこにはもう誰も居なかった。
長く続く曲がりくねった路地裏、整列したドブ板に薄暗い建物の影、湿った空気。
それ以外には何も、僕以外には誰も居ない。

髪を掻き上げて額の汗を拭った。
本質的に僕の恐怖心や猜疑心といったものを揺さぶるような女性。名伏しがたき嫌悪感。
可能ならばなるべく関わり合いになりたくないタイプだ。どうも調子が狂う。狂わされる。
一瞬でこの場から姿を消したという事はまず間違いなくあの女性は妖怪だろう。
それなら一本道の路地裏で僕が背後をとられた理由も説明できる。
しかし彼女はおばさんの件に協力している訳でも妨害をしている訳でもないと言っていた。
言われた事を鵜呑みにしていい女性ではないとはいえ、まったく考慮に入れる必要がないという訳でもない。

なにはともあれまずは気持ちを整理する為に大きく深呼吸。
湿った空気を吸い込んで吐き出す。
新たに手に入れた幾つかの手掛かりをより合わせて一つの紐にとして纏める。

博麗霊夢。
霊夢のおばさん。
あの女性。
彼女の言った賭け事の意味。
結果を出すのは僕。

纏まらない。まだまだ不明瞭な点が多すぎる。
しかし収穫はあった。手掛かりの為の手掛かり。
まだまだ真実には程遠いが、確実なる一歩。

もうここに留まる理由はない。通りへと戻ろう。霊夢と慧音が待っている。

「君は何処に居るんだ。まったく、いつも厄介ごとばかり僕に押し付けて」

路地裏の行き止まりを後にしながら僕はそんな事を呟いた。
違和感。自分の独り言に対しての――誰かに対して発した言葉に対しての違和感。

君とは一体誰の事を指している? 僕に厄介ごとを押し付ける人物。
博麗霊夢か。違う、彼女は人里に、僕の側にいる。では誰だ。

纏まりかけた一本の線が考えれば考える程出鱈目に拡散していく。
もう思い出せない。先程僕が君と呼んだ人物が誰なのか分からない。
僕は一体誰に向かってこの言葉を発したんだ。
思い出せない。元から記憶の中にそんな人物は居なかったかのように。
誰なんだ一体。『君』は誰なんだ。

僕が思い出せない『君』は――誰なんだ?

Comment

この慧音まったく自重しないwwwww霖之助、満月の日には気をつけないと食われるぞ(性的に)wwwwwう~ん紫がおばさんの正体じないとしたら先代巫女しか思い浮かばないな(-_-;)
  • by:ロストナンバー
  •  | 2012/03/19/12:30:52
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ROM専の駄目天狗でしたが、れいむちゃんシリーズも佳境、我慢できなくなったのでコメント残させていただきます。
私、おばさんは紫さんだとばかり思っていました。
しかししかし、半妖の霖之助さんの記憶に残っておらず、なおかつ霖之助と親しかったであろう人物といえば・・・
これからも応援させていただきます。頑張って下さい。
  • by:ROM天狗
  •  | 2012/03/21/03:30:08
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#No title
この慧音、某氏家氏の4コマに出てきそうなくらい思春期しておる!!と言うか発情期か、霖之助さんが食われてしまう!!

紫がおばさんじゃないとすると、誰がおばさんなんだろうと言う文を書いたら、紫様が紛れも無くおばさんであると言う意味の文になってしまい愕然とした俺がいますorz

しかし紫様この頃から霖之助さんにここまで嫌悪されるなんて……
  • by:くぅ
  •  | 2012/03/24/22:37:51
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#No title
先代巫女の可能性高いな……最初の2話みなおすと、しっかり張られていた伏線が!?何て事だ……どうして見逃していたのだ。

れーむちゃんがかわいいからか(笑
しかし、おばちゃんの正体が彼女だとすると

霖之助の周りの女性が、肉食系と言うか、今回のケイネさんと相乗効果を引き起こしていた可能性が……。
  • by:
  •  | 2012/04/07/05:22:54
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