十四朗亭の出納帳

アニメの感想、ゲームホビーの感想など 作品のジャンルにこだわらず書いていく予定です,SSとか書いてます

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十四朗

Author:十四朗
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東方の霖之助SSが主流です
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『はっぴーはろうぃん小傘』

ハロウィンなので小傘霖。
小傘がアホの子過ぎた気がするけど気にしない。
アホの子可愛いよアホの子。


『はっぴーはろうぃん小傘』


小傘、霖之助








香霖堂の朝は別に早くない。
僕が朝起きていれば朝に開店し、昼に起きれば昼に開店する。
眠くなったり、何だかやる気が起きなければその時が閉店の時間だ。

幸い今日は日が昇る前に起床し、
時間が余っていたので少々手の込んだ朝食を摂り、
店先に掛かった札を営業中にして本を読んでいるところだった。

店を開けて商売を始める頃には、すっかり日は登りきり、
柔らかい初冬の日差しが幻想郷を柔らかく包んでいた。

そろそろ本日最初の客がやって来てもいい頃合いだ。
さて今日の客は誰だろうか。まともに買い物をしてくれる客ならいいのだが。

「お菓子をくれなきゃお菓子を奪うぞ! トリック・オア・トーナメント! おどろけー!」

いきなりカウンターの向こう側から現れた多々良小傘に、僕は読んでいた本の背表紙で答えた。
つまりは本の背表紙で小傘の頭を叩いた。
木魚を叩いたような音がして、小傘は悲鳴をあげた。

色々間違っている部分が多すぎて言葉ではなく手が出てしまった。

「グワー!」

赤と青の、左右で色の違う瞳を白黒させながら小傘はよろめく。
そんな小傘をよそに僕は、赤色と青色の瞳をしているのに目を白黒させるとは妙な表現だなと一人で思考した。

「アイエエエ!? ナンデ!? いきなり背表紙の一番固いところナンデ!?」

小傘から抗議の声があがる。当然か、我ながらいい一撃だったと自賛する程の一撃だった。
頭を叩いて木魚のような音がするなど、中々ない事だ。
いや、これは小傘の頭の中が空っぽだという証明なのかもしれない。

「急に馬鹿な発言が来たので。略してQBK」

「そんなに馬鹿だった?」

「思わず目を潤ませて、涙ながらに病気は君のせいじゃない。
 永遠亭に行こう、今ならまだ間に合う。と言ってしまいそうになるぐらいには」

「凄い可哀想な子扱いされた気分」

「実際可哀想な子扱いしている」

「そんな扱いを繰り返されては心が壊れて人間でなくなってしまうの!
 このわちきに人間性を捧げろって言うの!?」

「安心するんだ、元から人間じゃない。捧げる人間性など初めから無い」

「こ、心が折れそうだ……」

小傘が肩を落とすと彼女が手にした紫の大きな唐傘もそれに呼応してがっくりと舌を垂らす。
彼女を見ていると毎度思うのだが、傘と彼女は感情を共有しているのだろうか。
つまり小傘は紫の唐傘であり、紫の唐傘は小傘なのか。

更に追求するならば小傘の主導権は少女の体にあるのか唐傘にあるのか。疑問は尽きない。
ちなみに以前本人に尋ねたところ、赤い顔をして押し黙ったので、本人から聞き出すのは諦めた。

「大体音も気配も無くどうやって入って来たんだ。まったく気付かなかったぞ」

「ん、えっと驚かそうと思ってなるべく音も立てずに抜き足差し足でそろりそろりと」

「何気に凄いスキルだぞそれは」

「そうなの? やろうと思えば出来たけど」

この少女、内に秘めたる才能はとんでもないものがあるのではなかろうか。
相手に気づかれる事無く室内に侵入し接近するなど、
普通の人間はおろか妖怪でさえやろうと思って出来る事ではない。

「ところでお菓子がもらえる日って何? 
 さあ世界最後の夜明けに懺悔せよ!! もしくはお菓子をよこせ! って意味なの?」

「君は本当に阿呆だな。違うに決まっているじゃないか。
 君の頭の中は空っぽなのか? 伽藍堂なのか? 頭が空っぽの傘、略して空傘なのか?」

「今のってひょっとして暴言?」

「違うよ。僕がそんな酷い事言う訳ないじゃないか」

「良かったー暴言だったらわちきどうしようかと」

暴言である。これ以上に無い程直球の暴言である。
流石に気付くと思ったが気付かなかった。今度はもっと分かりやすい形の暴言にしよう。
このままでは彼女が余りにも不憫に思えて仕方がない。

「それでお菓子が貰える日ってなんなの? 
 えっと、魔理沙がハローワーク……ハロゲン……
 だとか何だとか言ってたような言ってなかったような気がするけど」

「ハロウィンだね」

「そうそうそれそれ。お菓子が貰えるんでしょ」

「過程を二、三個すっ飛ばしているような気がするが概ね合っていると言っていい」

「すごぉい! わちき凄い賢い! 実際賢い!」

「そーだねーすごいねー頭いいなー小傘はー」

「これなら幻想郷がわちきの軍門に下り、わちきが天下に武を布くのも時間の問題ね! 
 わちきのわちきによるわちきの為の天下布武!」

拳を頭上高くに構え、胸を張り自信満々でそう宣言する。
彼女にハロウィンが如何なる意味を持つ行事で、
その起こりと現在に至るまでを事細かに説明してやろうと思っていたのだが、
この事を彼女に理解させるには、馬に念仏を聞かせた方が有意義な気がして止めた。

ここは適当にお菓子でも与えて満足させた方が楽だろう。

「それで、君は愚かにもハロウィンがただお菓子を貰うだけの行事だと思い込み、
 僕にお菓子をたかろうと思って店に来た訳か」

「いかにも! お菓子ちょーだい!」

「よしいいだろう」

「むむ、あっさり……承諾された。怖い」

「失礼な。頭空っぽの唐傘お化けが無い知恵振り絞って異国の行事を楽しもうとしているんだ。
 嫌々ながらも手伝ってやるのが人情だろう」

「ハッ!? これはまさかお菓子を与えて油断した隙に襲いかかり、
 美少女唐傘お化けであるわちきをかごめにしようという魂胆!?

「……手篭め?」

「あ、それそれ! 手篭め手篭め!」

妖怪とは言え、まだあどけなさの残る少女が無闇矢鱈と口にすべき言葉ではない。
誰だ彼女にこんな言葉を教えたのは。
こんな言葉を彼女に教えるぐらいならもっと他に教えるべき事があるだろう。

例えばそう、常識や礼儀などの一般教養の講義が彼女には必要だ。早急に。

「さてではこの饅頭をやろう」

僕はカウンターの下から饅頭の箱を取り出す。
余談だが、この饅頭は先日慧音から、
「最近里に出来た美味しいと評判の甘味処で買ってきた饅頭で買ってきた饅頭だ。
 つい多く買ってしまったのでお前にもやろう。
 ありがたく思え与太郎!」という言葉と共に譲り受けたものだ。

そして余談の余談となるが、饅頭を貰って数時間後。
勝手に上がりこんだ霊夢が、勝手にお茶を入れ、勝手にお茶うけを漁っていたところ、
偶々偶然幸運にもこの饅頭の箱を発見し勝手に開封した。

要するに中途半端な食べかけの代物である。
幸い開封してから然程日も経っていないので食あたり等の心配な無いだろう。

「えーお饅頭? クッキーとかチョコレートとかもっとお洒落なものは無いのー?」

「何だ不満か」

「わちきは哀しき最先端を行く唐傘お化けなのよ! 
 こんな垢抜けないお菓子で満足出来る訳ないじゃないでござーい」

「そうなんですか凄いですね」

「それ程でもない。まぁどうしてもと言われれば食べてあげない事もないのよ」

「そうなんですか凄いですね」

「た、食べてあげてもいいのよ」

「そうなんですか凄いですね」

「た、食べさせてくださいぃぃぃ!」

「そうなんですか凄い……食べたいのなら素直にそう言えばいいだろう」

半泣きで小傘が懇願した。
泣きそうになってまで欲しいと思うのなら最初からそう言えばいいものを。

何個だ、甘いの何個欲しいんだ。卑しん坊め。

「うぐあぁ……店主さんのさでぃずむぅ……」

この手の手合いにはこれに限る。相手が折れるまで同じ言葉を繰り返すのを止めない。
ただし相手が頭の弱い少し可哀想な輩に限る。

「うむ、では食べるといい」

「わーいやったー! あ、お茶とか無いの? こう、渋くて熱いお茶とか。
 わちきってアダルティでアバンギャルドな妖怪だからそういうのが欲しいんだけど」

「そうなんですか凄い……」

「いただきます! いただきます! 
 うわー美味しそうだなーお饅頭食べられるの幸せだなー。
 人生の勝ち組って気分だなー」

顔色を変えて小傘は僕が差し出した饅頭を頬張った。
元はただで受け取ったもの。ならばどれだけ食べられようが僕の懐は痛まない。

「この程度で人生の勝ち組になった気分を味わえるのなら安いものだな」

「でも美味しい物を食べてる時って幸せだと思うの」

「君は物理的に何かを食べても腹は膨れないだろう?」

「うん。だけど美味しい物を食べると幸せで気分が良くなる。 
 店主さんだってどうせ食べるなら美味しいものの方がいいでしょ?

「確かに。僕は食べなくても生きていける体だが、どうせ口にするなら美味い物の方がいいな」

「でしょでしょー! 美味しい物は幸せの源で笑顔の原材料なんだから」

「まったく君は幸せな奴だな」

「だって美味しい物食べてるし」

確かに、甘味は嗜好品としての一面が強い。
こうして食べる者が笑顔になるのが、本来甘味が持つ役割だろう。
だとしたら、彼女に食べてもらうのが道理だ。

僕のような半妖は甘い物を一度にたくさん食べると胸焼けがする。
一つや二つで十分だ。

「あ、そうだ。わちきだけ食べてるのも悪い気がするし、店主さんにも分けてあげる」

「僕はいいよ。腹も減っていないし」

「いいから食べるの!」

小傘が饅頭を半分に割り、その片割れを僕に差し出した。
口元に餡子を付けた彼女は満面の笑みで、
その笑顔を見ているだけでこちらまで口元が緩みそうな笑顔であった。

菓子を食べるだけでこんなにも幸せそうに笑えるとは、相変わらず単純で阿呆な娘だな。
そんな事を思いつつも、僕はこの笑顔に対して悪い気はしなかった。
まぁ、笑顔でいられるならそれでいいだろう。その方が僕も気が楽だ。

僕は小傘から饅頭の片割れを受け取ると、そのまま頬張った。
薄皮の下にぎっしりと詰まったなめらかなこし餡は控えめな甘さながら、味わい深い。
多めの餡を薄い皮で包むのならこのぐらいの甘さが適切に感じられる。

「うん美味しい。中々いいものだ。ありがとう小傘」

「いいのいいの。だってこれは」

傘のくせに小傘は晴れやかな笑顔を僕に見せてくれた。
まったく、化け傘が晴れやかな笑顔をしてどうする。商売上がったりでも知らないぞ。

しかし、やはり彼女の笑顔は悪い気がしなかった。
つくづく心のそこから笑うのが上手い少女だ。
こういった彼女の真っ直ぐなところは尊敬に値する。

単純で阿呆な娘でも、笑顔だけは合格といっったところか。

「幸せのお裾分けなんだから」

Comment

#No title
ネタまみれでツッコミが追いつかないwww
とりあえず小傘ちゃん可愛い。
ござーい、で吹いたのは秘密。
  • by:夜霧
  •  | 2011/11/04/23:01:37
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