十四朗亭の出納帳

アニメの感想、ゲームホビーの感想など 作品のジャンルにこだわらず書いていく予定です,SSとか書いてます

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十四朗

Author:十四朗
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『9mmの衝突』

趣味の趣味でやってるこのシリーズ。
マシンピストルが好きです。
銃+ラブコメは正義なはず。
学園キノとか。


『9mmの衝突』



霖之助、にとり、鈴仙











黒い合成樹脂で構成されたホルスターストックからグリップの末端部分を掴んで引きぬく。
ゆっくりと引き抜くと、ホルスターストックと同じく黒色のパーツで構成された自動拳銃にしては曲線的なラインの多い拳銃が姿を露した。

スライドの後部に撃鉄が無い事から、
おそらくは撃針と撃鉄が一緒になったストライカー方式の銃なのだろう。

鈴仙はホルスターストックを野外に設置した簡易作業台の上に置き、
まず一番初めに安全装置を外すと、
拳銃のスライドを引いて薬室の中に弾薬が入っていない事を確認する。
それから今度はマガジンキャッチを押してグリップから弾倉を取り出しそこに弾薬が装填されていないか確認した。

「機関拳銃ですか」

ホルスターストックに設置されたセミオートと三点バーストを切り替えるセレクター。
それから銃の後部に見受けられるハードポイントから、
この銃がストックを使用し、極めて短い間隔で銃弾を発射するタイプの銃だとは容易に想像する事ができる。

機関拳銃は主にフルオート射撃、
または三点バースト機能を有する自動拳銃に用いられるカテゴリーで、
稀に小型の短機関銃にも使用される。

携帯性の割に制圧力が高いのを売りにしているが、
小型で高い携帯性故に銃本体の重量が軽く、
連続射撃の際、衝撃で銃口が跳ね上がったりぶれたりするのが主な欠点だ。
その他にも気になるところはあるが、鈴仙が主に気にしているのはこんなところだろう。

「そうそう。私がここ最近徹夜で修理したんだよ。
 私の手元に来た時はボロボロでとても銃とは言えない状態だったんだけど、
 徹夜で復旧してやっとこさ撃てる状態まで漕ぎ着けたんだ」

「それはご苦労な事で」

誰も聞いていないといった風に鈴仙は素っ気なく答える。
実際にとりが寝ていようが寝ていまいが鈴仙にとって特に興味のある事柄ではない。

「特に金属以外で製造されたパーツ。
 えっと、確かポリマーフレームっていう素材で作られた場所は苦労したんだよ」

「それでもちゃんと作れたじゃないか。
 河童の、いや君の技術力の賜物だね」

「えへへ~にとりさん偉い!」

鈴仙から見て作業台の向かいで並ぶようにして座り、
談笑をしているにとりと霖之助を見ながら、鈴仙は軽く舌打ちをした。

「実射テストはしましたか?
 まさか撃った事もない銃を他人に撃たせるつもりじゃありませんよね?」

「ん? あぁ、したよ。
 正直撃つのは専門外だけどちゃんとテストはしたよ。
 本テストで撃つのがアンタとはいえ、
 まず自分でテストしない内に誰かにやらせるなんて不義理な真似しないよ」

「そうですか。一応アナタでもその辺りはしっかりしているんですね」

これから撃ち合いをする訳でもないのに、二人の間には張り詰めた空気が流れている。
この二人は初対面の時からずっとこうだ。

鈴仙はにとりの事を快く思っておらず、にとりもまた鈴仙の事を危険な人物として見ている。
お互いに「銃を撃ちたい」という目的と、
「自分が修理した銃が正常に動作さするか確かめたい」という目的の為に一緒にいるようなものだ。

とはいえそれすらもかなり希薄な繋がりである事にはかわりないので、
結局のところ二人が一緒にいる理由は、森近霖之助の存在に軟着陸してしまう。

「とりあえずは撃ってみましょう。
 懸念材料は有りますが、評価を下すにはまず撃たないと」

「これだけ大丈夫だって言ってるのにまだ懸念材料があるなんて。
 鈴仙ってそーとー臆病だね」

「多少臆病なのは兵士の資質ですよ。
 勇猛は馬鹿と置き換えても機能します。
 それと同じように臆病は慎重と置き換えても機能するんですよ」

「なんとでも言えるよそんなの」

あまり愉快とは言えない談笑を挟みつつも、
鈴仙は慣れた手つきで弾薬を十八発分弾倉へ詰め込む。
奇異な外見をしている割に、使用する弾薬は特殊なものではないというのはありがたい。

弾倉を咥え込ませ、ホルスターストックを接続した拳銃を抱えて、
鈴仙は射撃用に引かれた白いラインの上に立った。

目の前には使わなくなった長テーブルの上に、
白と赤でペイントされたブリキ缶が等間隔で五つ。
その奥には、木の幹に薄い木製の板が縛り付けられており、
それにも同じように白と赤でペイントが施されていた。

プランとしてはまず単発でブリキ缶を一つ一つ倒し、
最後にありったけの弾を板にマーキングされたターゲットへ叩き込む。
鈴仙は撃ち始めから撃ち終わりまでの動作を何度も頭の中でイメージした。

その間、トリガーには指を掛けず、
代わりにピンと指を伸ばしトリガーを覆うトリガーガードへと指を掛けておく。
銃口は霖之助やにとりの居ない方向へ向け、間違っても不慮の事故が起きないようにしていた。

やがてちらりと目線だけで霖之助の方を見た後、スライドを引いて薬室へ弾を送り、
ゆっくりとストック付きの拳銃を構えた。

グリップをしっかりと握る為グリップ後方はストックが肉抜きされたような空間になっていて、
手の動きをある程度妨げないようになっている。

ぴったりとストックを肩へ密着させ、大きく息を吸い込む。
セレクターが選択しているモードはセミオート。
三点バーストをする際、
フォアグリップの存在しないこの銃では衝撃のコントロールが難しそうだが、
それは撃ちながら修正すればいいだろう。

左目を閉じ、右目だけでスライド後方に設置されたリアサイトから、
スライド前方に設置されたフロントサイトを覗き込み、
ブリキ缶のマークへと照準を合わせる。

まずはそのまま引き金を引いて一発目。
乾いた短い発砲音が静かな森によく響いた。

反動は鈴仙の経験から言えば一般的。
だがダブルアクションオンリーの引き金は重く、
トリガーストロークが長い為少し照準がブレたのは見過ごせない点だった。

「これだからダブルアクションオンリーは」と舌打ちしながらも、
表面上はさして表情を変えず、代わりに目標を変えてまた一発。

自動拳銃であるこの銃は、
一発撃つ毎に発砲の衝撃でスライドが後退し、
排莢口から空薬莢を吐き出して、次の弾薬を薬室へ送り込むといった動作を自動で行う。
なのでセミオートの状態でもある程度の連射性は確保できる。

発射された弾丸は直線的な線となってブリキ缶のほぼ中心を捉えると、
その余りある運動エネルギーでブリキ缶を後方へとすっ飛ばした。

二発目を発射した時に弾き出された空薬莢が地面に着地するのと同じタイミングで三発目を発射。
命中を確認し、また同じように四発、五発と自動拳銃の速射性を活かして、
まずは設置されたブリキ缶を全て倒した。

後方でにとりが「おぉ!」と感心していたが、
そんな事は歯牙にも掛けず、ストックのセレクターを三点バーストへと変更。
鈴仙にとってはここからが本題のようなものだ。

止まっている目標に一発ずつ撃って当てるのは基本だ。
これができなくては銃を持つ資格が無いと言ってもいい。
肝心なのはフルオート射撃やバースト射撃の際に発生する強烈で、
連続的な反動をいかにコントロールし、射撃を安定させるかにだ。

先程よりも感覚を更に先鋭化させ、
これから発生するであろう衝撃に備え、体の重心を深く構える。

やや重いと感じ始めたストックはピタリと肩に当てられ、
しっかりと安定させられた銃口が狙うのは樹の幹に括り付けられたターゲット。

長く重たいダブルアクションのトリガーを引く。
発砲音が短く三つ。
殆ど一つに重なって聞こえ、スライドが素早く前後へと三往復し、
直後には三つの弾丸が目標を貫いていた。

三つに重なったのは発砲音だけでなく、
鈴仙の体を襲った衝撃も一つ一つ独立したものではなく、
一塊の衝撃となって伝わった。

発射レートが高速過ぎる。
人間の感覚では到底感知できそうにもない、
高速の三点バーストは鈴仙にとって予想外の衝撃だった。

だがそれでも何とか衝撃を抑えこみ、
二回目のバースト射撃を行う。
先程の教訓を生かし、跳ね上がりに対しての警戒を強めたが、
それでもこの『三発で一つ』の反動のおかげで銃口は跳ね上がる。

内心辟易しながらも、
残った四発を三点バーストと一発だけのセミオートで発射して今回のテストを終えた。

「ねっ、ねっ! どうだった? 感想感想!
 今回すっごく自信のある仕上がりなんだけど」

先程までの険悪な態度や言葉遣いを綺麗さっぱり忘れて、
にとりが待ちきれない様子で鈴仙に感想を求めた。

鈴仙は落ち着き払った態度で銃のセーフィティーロックを掛け、
ストックを外し、ストックの中へと銃を閉まってから口を開いた。

「セミオートでの射撃は悪くありませんね。
 ストックがあれば安定しますし、そのストックは使わない時はホルスターにできますし」

「そうなんだよねーおかげで邪魔にはならないと思うんだ。
 それでオートの方はどうだった?
 あの連射力が今回の見所なんだけど」

「駄目ですね」

「えっ……?」

先程まで好意的に語っていた鈴仙の口から駄目と言われて、にとりの顔が一瞬で曇る。
この銃に関して相当の自信が有ったようだが、
その自信に鈴仙の評価は応えられないだろう。

「駄目です。正直な話をするならあの機能は駄目です。
 早過ぎる連射速度のせいでコントロールを見失っています。
 私が先まで撃っていたターゲットを見てみるといいですよ。
 初弾は中心に当たっていと思いますが、
 それ以降はターゲットの中心から大きく逸れています。
 命中していない弾もあるはずです。
 この距離で、しかも静止した目標に全弾正確に叩き込めないとなるとこの評価は妥当だと思います」

「そんな……そんなの」

わなわなと肩を震わしてにとりの表情が曇ってゆく。
自信を撃ち砕かれた悔しさから来る怒りが、たぎっているのは鈴仙の目から見ても明らかだ。

「そんなの鈴仙の実力不足のせいじゃないの!
 当たる当たらないなんて使い手の技量じゃない。
 それを銃のせいにされても困るよ!」

「では誰にでも当てられる銃と、限られた人物しか正確に使えない銃。
 いえ、これは何にでも当てはまりますね。
 同じ効果で誰にでも使える道具と、
 研ぎ澄まされた技量を持った者にしか扱えない道具ではどちらが優秀ですか?」

「屁理屈こねて!」

「評価を率直に述べているだけです」

「そこまでだ。そこまでだ二人とも」

今にも噛み付きそうな二人の間に霖之助が割って入った。
殆ど不動の沈黙をもって今回の射撃を見つめていただけに、
この介入には驚いた。

だが状況を考えれば妥当な行動だろう。
鈴仙の知る限り、森近霖之助という男は目の前で起こっている、
姦しく不毛な争いを見過ごす程無責任ではない。

「鈴仙は言い過ぎだ。
 にとりの方は意地になりすぎている。
 お互いに違う分野での技量なんだから、
 自分の物差しで測るのは愚かな事だろう?」

「でもこの兎は私がどれだけ頑張ってこの銃を仕上げたか知らないんだよ!」

「それが自分の物差しで測っているんだ。
 鈴仙は銃の扱いに関してのプロと言っていい。
 彼女には彼女の考え方もやり方もある。
 それに彼女は君の腕に関してではなく、銃自信に評価をしたんだよ。
 あの銃は君が設計して一から創りだしたものではないのだから、
 それで熱くなってどうする」

「むぅ……そうだけど」

バツの悪そうな表情で後頭部を掻きながらそっぽを向くにとり。
まだ納得はしていないようだが、けじめはついたようだ。

「それから鈴仙。次は君だ」

覚悟はしていたがやはり鈴仙にも何か一言あるらしい。
流石に言い過ぎてしまったと反省したがもう遅い。

「さっきも言ったように言い過ぎだよ。
 君がプロフェッショナルなのは分かるけど、
 僕達は何も銃を武器として大量生産して売りさばくのを目的にしている訳でも、
 ましてや人を効率良く殺す為の研究をしている訳じゃない。
 だから問題なく撃てる。ただそれだけでいいんだよ。
 見たところ動作に問題は無かったが、君自身何か動作での問題を感じたかい?」

「特にありませんでした。
 先程の意見は性能や使い勝手に関しての意見です。
 動作については何も問題は。その点でにとりは完璧な仕事をしてくれました」

嘘は言っていない。
ボロボロの状態から徹夜してフルコンディションといえる状態まで持ってきたにとりの腕には敬意を払っている。
その点で鈴仙は確かに彼女の事を認めている。

にとりの方も同じだろう。
銃火器の扱いに関してのプロとしてしっかり鈴仙の事を認めている。
ただお互いにそれを素直に言えない事情がある。

主に霖之助絡みの胸に隠しておきたい事情が。

「そうか。よろしい。
 君達二人はどこかギスギスしたところがあるけど、
 同じ実験をする仲間だったら手を繋いで笑い合えとまでは言わないが、
 せめて表面上ぐらいは仲良くしてくれよ」

「了解」

「りょ~かい」

「よし、それじゃあお茶にしよう。
 せっかくこうして外にいるんだ。外でお茶を飲むのも悪くない。
 僕はお茶の準備をしてくるから二人とも大人しくここで待っているんだよ」

「了解」

「りょ~かい」

店の中へと消えてゆく霖之助の背中を二人で見送って、
それから今度は二人とも同じタイミングで互いを見つめ合う。

「そういう事だから、私はちゃんと仕事したからね」

「私だってちゃんと仕事をしました」

「修理に不備はなかったから」

「私の射撃にも不備はありませんでした」

「霖之助は渡さないよ」

「私だって渡すつもりはありません」

ある意味で反省していて、
ある意味でまったく反省していない二人はそんな風に霖之助が帰ってくるまで言い合いを続けた。
互いに譲る気など全く無く、
かといってストレートに攻め入る気もない二人の争いは今後ますます泥沼化していくだろう。

戦況は泥沼化。双方終戦への糸口はいまだ見えず。
この冷戦とも熱戦ともつかない争いはしばらく続きそうだ。

Comment

今回はマシンピストルでしたか
自分はG18とかSIGが好きでね
デザインと性能が素晴らしい(´ω`)

次回はアサルトライフルとか期待していいでしょうか?

話で出てたのはM92Fのバースト仕様ですか?
  • by:ハリ
  •  | 2011/06/15/14:42:24
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銃なんてさっぱりわからんぜ

ただこの二人の霖之助の取り合いは思い付かなかったなあ
  • by:すかいはい
  •  | 2011/06/17/00:03:15
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • by:
  •  | 2011/07/10/15:33:30
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