十四朗亭の出納帳

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十四朗

Author:十四朗
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れーむちゃんおねむ

幼女は!幼女は力なんだよ!
幼女と大人の男のカプは古今東西最強。
既婚者と若い娘のカプぐらい最強。



『れーむちゃんおねむ』




霖之助、霊夢









「ねむー……」

いつも通りご飯と味噌汁をおかわりし、
おかずを霖之助から強奪して、それなりに有意義な夕食を終えた霊夢が、
すっかり片付いたちゃぶ台の上に顎と両腕を投げ出し、心底ご満悦な様子でそう呟いた。

無愛想なジト目は本能から来る眠気にまどろんでおり、いつもの冷たさをどこかに忘れてきたようだ。
こうしていると巫女とはいえ霊夢も普通の子供だと感じられる。

「眠くてもちゃんとお風呂には行くんだ。
 それに歯を磨いて寝間着に着替えて髪を梳かして」

「頭洗ってね」

「いいけど自分で洗ったらどうだい。
 ここ最近ずっと僕に髪を洗わせて、風呂上りの手入れも僕に頼んで。
 あんまり人任せだと手入れのやり方を忘れるよ」

すっかり霊夢の世話が板についてしまった自分への警告的な意味でもあった。
自覚している節はあるが、少々霖之助は霊夢に対して甘すぎる。
心の底に同情や哀れみに近いものを抱いているからなのか、
それとももっと別の感情で優しくしているのかは自分でも判断しかねるが、
それらを切り離して客観的な目線になって見てみると、ここ最近は特に甘い。

「おばさんが髪の毛洗ってくれるの好きだったから。
 最近おばさんとあんまり会えなくて寂しい。
 だから霖之助さんに頼むの」

「さいですか、僕はおばさんの代わりか。
 まったく、面倒をみるなら全部自分でやって欲しいもんだよ、そのおばさんとやらに」

寂しいなんて言葉をあの霊夢が口にした事は、霖之助にとって少なからず意外だった。
眠さに負けて頭が働いていないのか、今の霊夢は驚く程普通の子供として霖之助と向き合っている。

巧妙な擬態が暴かれその姿があらわになっていく過程を見ているようだ。
博麗の巫女という擬態は、既に殆ど意味をなさなくなっていた。

「巫女としての自立と自覚を身に付ける為に一人にさせてるって言ってた」

「どこが一人だ。思いっきり僕に寄生してるじゃないか。
 ここ最近は毎日店に来て食事をとって行くし、そろそろお金を取りたいくらいだよ」

「お金ない」

「だったら稼ぐ。収入を得る為に働くのは最も基本的な経済活動だ。
 働かずしてその日の食事は無い」

「働いてる。妖怪を見つけたらバシュ! ゴォォォォ!!!」

「見敵必殺か。でもそれだと報酬は支払われないね。
 誰かに頼まれてやっている訳ではないのだから」

「そう。だから霖之助さんからご飯をもらう。私の報酬」

「僕は妖怪退治を頼んでいない。僕から報酬を貰うのは筋違いだろう」

「監視の報酬も一緒に貰ってる」

「監視対象から報酬を貰って監視が行われるなんておかしい話だ。
 誰が好き好んで自分を監視させる」

「多分普通はしないと思う。
 けど霖之助さんは普通じゃない。
 霖之助さんは獣。びーすと。夜のケダモノ」

「よーしまずは君にその言語を教えた人物を退治しようか」

「おばさん」

直接出会った事のない人物にそう言われていると思うといい気はしない。
こうして何度もおばさんの話を聞いている限り、霊夢のおばさんも相当に常識外れな人物なのだろう。
静かな暮らしを営み、常に理知的であろうとする霖之助とは正反対な性質と言っていい。

「今少しだけ君を引き取ろうと本気で思ったよ。
 君の言うおばさんは危険な香りがする」

「そんな事無い。おばさんはケチで、
 言ってる事がよく分からなくて、お茶の温度に五月蝿くて、
 説教が長くて、歳増で、お金もご飯もくれないけどいい人」

「世間一般ではそんな人物の事を悪い大人って言うんだよ。覚えておくように」

「おー」

力なく霊夢の手が上がり、眠気を含んだ声が響いた。
相当眠たいらしい。

「まったく、仕方がないな。
 こっちへ来なさい霊夢。
 そんな場所に居るよりは僕の膝の上に居る方が楽だろう」

やれやれと思いながらも霖之助は霊夢を自身の膝の上へと招く。
眠たそうにしている子供に鞭打って喋らせる趣味はない。
せめて風呂ぐらい行かせておこうかと思ったが、明日の朝一番で行かせればいいだろう。

眠たそうな霊夢を見ているとこっちまで眠たくなってくる。
まるでそれが正しい事だと思わせるような、そんな気持ちだ。

「霖之助さんの膝の上好き。骨が当たって硬いけど、温かいし音が聞こえるもの」

「音? 心臓の音かな?」

「うん。生きてる音」

膝の上に力なく乗っかる霊夢を抱え込むように抱き抱える。
子供が寝る前に発する独特の体温上昇によって、霊夢の体はじんわりと温かかった。
そこから小さな鼓動と、眠りへと向かう穏やかな呼吸音が聞こえてくる。

同じ世代の子供に比べて軽い霊夢の体を抱いていると、
同じ重さをした羽毛の塊を抱いている気分だ。
飛んでいきそうな程軽く、消えてしまいそうな程儚い温もり。
人間が時々感じる無常を体現したかのような存在。

決して消えない程強烈な印象を持っているにも関わらず、
その存在が不意に消えてしまう事を忘れさせない儚さ。
巫女が巫女たる宿命か、それとも霊夢が霊夢たる宿命か。
どちらの要因が関連しているのかは分からないが、この胸が空くような感覚は怖い。

博麗霊夢。
この少女は霖之助に喪失感が発生する過程から結果までを感じさせる。

「昔、おばさんとよく一緒のお布団で寝た。
 一緒の布団で寝ると温かくて、音が聞こえてくる。
 おばさんはいろんなお話をしてくれたけど、
 どれも終わる前に眠ってしまったからよく覚えていない。
 でもおばさんと一緒に暮らした最後の日にしてくれた話は覚えてる」

「おばさんとは一緒に暮らしていないと言っていたけど、昔は暮らしていたのかな?」

初めから霊夢が一人だったとは思っていないが、念の為に確認をしておく。
そのおばさんがどんなに非情な人物でも、
流石に年端も行かない子供を最初から一人暮らしさせる訳がないだろう。

肝心なのはそのおばさんが霊夢にとっていい保護者だったかどうかという事だ。

「昔は暮らしてた。とっても短い間だったけど、楽しかった。
 多分半年も暮らしていなかったと思う」

「どんな話しなんだい?」

「霖之助さんの話。
 明日からはずっと一緒に居てあげられないけど、
 その代わり森近霖之助って半妖の所に行きなさい。
 そこでその半妖を監視しながらお世話になるようにって」

「僕を頼れ? どうしてまた僕なんだ。
 僕は君のおばさんなる人物を知らない。
 向こうが一方的に知っているだけの男に博麗の巫女を任せるものかな」

意味がわからず聞き返した。
霊夢の発言からおばさんが霖之助の事を知っているのは概ね理解していた。
だが、そうやって個人的に突っ込んだ話をする程、
自分が知られているとは考えもしていない。

ましてや幻想郷にとって大切な巫女を自分に任せるような発言をしていたなんて信じ難い事実だった。

任せるという行為には信頼というステータスが必要になる。
それは一方的な認知や、理解によっては生まれるものではなく、
相互的な交流と非効率で、決まった枠組みのない感情の良し悪しが生み出すステータスだ。

なのにその信頼を含んだ選択肢を、おばさんは霖之助に預けた。
ひょっとしたら、霖之助は霊夢がおばさんと呼び慕う人物を知っているのかもしれない。

いつかどこかで会っていた。
もしくは、今もどこかで会っている人物が、匿名を利用してそうしているのか。
だとしたら何故名前を隠すのだろうか。
匿名の仮面を被った人物には、多少の例外はあれ信用というものが発生しない。

言って分からせてくればこの出口の見えない思考の迷路に決着を付けられるのに。
相当底意地の悪いおばさんなる人物はそれを良しとしないようだ。
生憎霖之助が知る交友関係の中には、そこまで底意地の悪い人物は存在していない。

程度の差はあれ、どれもみなさっぱりした気前のいい連中ばかりだ。
だから余計に混乱する。
自分の知らないところで結ばれた、自分の交友関係なんて冗談にもならない。

「おばさんと僕は友人なのかな? 奇妙な話だけど僕にはそれが分からない」

「知らない。霖之助さんが知らない事を私が知る訳ない」

「そうか、だったらおばさんの特徴なんかを教えてくれないかな?
 もしかしたら僕が忘れているだけでどこかで知り合っているのかも」

「美人、巨乳、髪長い」

「……それだけかい? もっとこう、名前とか口癖とか」

「それだけ。名前は知らない。
 初めて会った時好きに呼べばいいって言われたからおばさんって呼んでる。
 最初は嫌な顔されたけど今は平気な顔してる」

「聞く限り年若い女性らしいからおばさんと言われれば嫌な顔もするだろうね」

「口癖は一つある。
 夜の境内でお酒を飲みながら、ロマンティックねってよく言ってた」

「暢気だな」

「のんき」

ここで霊夢が大きな欠伸をした。
そういえば霊夢が眠たいと言い出してから随分と長く話に付き合わせてしまった。
目頭に溜まった涙を袖で優しく拭ってやり、今日はもう寝なさいと眠りを促した。

「おやふむ」

おやすみと言いたかったらしいが眠気に負けて呂律が回っていない。
霖之助も「おやすみ」と言って、そっと霊夢の頭を撫でた。

やがて瞼が瞬きという運動を止め、霊夢が穏やかな寝息を紡ぎ始めた頃。
霖之助は霊夢の寝汗を拭ってやりながら、様々な事を考えた。

一番深く考えたのはおばさんの事。
やはり深く考えてしまう。考えるなと言われても考えるだろう。
流れる大河のルーツを探るのに、源流の調査がなくてはならないのと同じく、
霊夢のルーツを探すにはおばさんの詳細を調べなくてはならない。

一度会って話をしてみた方がいいのかもしれない。
とびきり変人なのは間違いないだろうが、それでも霊夢が慕っている人物だ。
そんなに悪い人物でもないだろう。

Comment

#No title
寝ぼけ幼女は正義。
ところでバシュ! ゴォォォォ!!!がロケットパンチで脳内再生されるのはなんでだろうか。
  • by:
  •  | 2011/05/31/21:15:17
  •  | URL
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#No title
脳が無意識に「○が当たって硬いけど―」に変換してしまった。殴ってください
  • by:バンバンG
  •  | 2011/06/02/17:40:48
  •  | URL
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