十四朗亭の出納帳

アニメの感想、ゲームホビーの感想など 作品のジャンルにこだわらず書いていく予定です,SSとか書いてます

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十四朗

Author:十四朗
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買い物の意味2

何か鈴霖書いてたらこの前のSSの続きになっちゃいました。
実際霖之助こんなに優しくないだろうなぁ~
「あっそう、だから?」みたいなんだろうな、まさにフラグブレイカー。


『買い物の意味2』


優曇華院、霖之助



額に噴き出た汗を袖で拭い最後の作業工程を頭の中で確認する。

四角い木枠に熱々のスライム状の物体を平らになるように流し込み、
井戸から組んできた水へ漬け時間を置いたものを
水から上げ食べやすいサイズに切り分け黄な粉をまぶす、これで終わりだ。

涼しげだという理由から始めた事だが、作る時に火を使ったりするので案外汗をかいた。
霖之助は一呼吸置くと鍋の中の半透明の物体を木枠に流し込んだ。

彼が今作っているのはわらび餅、透明さが涼しげな印象を与える夏のお菓子だ。

読書も一息付き相変わらず客も来ないので涼を楽しむために作ってみたがこれが中々大変だ。
まず何より暑い。
こんなに蒸し暑い中火をつけてその前でひたすら鍋をかきまぜるのだ、熱くない訳がない。
おまけに熱を加えて粘性を帯びたデンプンは粘りを生み掻き混ぜる度に腕の力を使う。

本で読んだ知識と思い付きの行動力でやるには少々きつい作業だった。
そしてそんな暑さと粘り地獄に悪戦苦闘する事半刻、ようやく仕上げの段階まで漕ぎ着けた。

(よし、綺麗に枠に納まったな、後はこれを水に…………)

木枠を持ち上げ水を張った桶の中へ浸す。
ひんやりとした水の感触が気持よく何時までもこうして居たいがそうもいかない。
名残惜しく桶から手を出すと横に置いておいた手拭いで顔とてを拭いた。

「四半刻置いておけばいいか、上手く出来ているといいが」

「それお豆腐ですか?」

独り言に返事を返され、霖之助は思わず慌てる、
独り言だと思ってのを返されると恥ずかしいものだ。
声の方へに振り向いてみると声の主は大きな兎の耳が特徴的な
永遠亭の薬師の弟子、鈴仙・優曇華院・イナバが台所の入口から顔をのぞかせていた。

「勝手に入ってきてすみません、店先に誰も居ないようだったので呼んでみたんですが返事が無くって」

「いや、こちらこそすまない、集中していて声に気付かなかった」

ペコリと頭を下げ丁寧にお詫びする彼女につられてついつい霖之助もお詫びし返してしまう

「ならおあいこです、それにしてもお豆腐を手作りだなんて珍しいですね」

彼女は霖之助の様子を見て豆腐でも作っているのだと勘違いしているようだ。
確かに水に漬けて完成、っと言う所だけ見ると似てはいるが
アレはアレで準備が大変なのだ、今回の様に思いつきで出来るものではない。

「言っておくがこれは豆腐じゃない、わらび餅だよ」

「そうなんですか、水を張って何かを浸してたのでてっきりそうだと」

首をかしげて不思議がる彼女を見て霖之助は軽くため息をつく。

(こんなにとぼけた子だっただろうか……………いや、これが素なのかもしれないな)

何時もの彼女らしくない態度に若干のやりずらさを感じるも気を取り直して話を続ける。

「それで今日はどんな入用で?洋服かい?それとも外の道具かな?」

「えーっと、今日私非番なので」

「なので?」

「ぶらぶらしていたらいつの間にかここに」

「はぁ、その様子だとお客でもなさそうだね」

別に彼は儲け至上主義な訳ではないがここまで客として訪れる者が少ないと
暑さによるものとは違った目眩がする。

まぁ、客が来ないのでこんな事をして時間を潰せるのだが、
この調子で客が来ないとこの夏が終わる頃には霖之助が腕の良い菓子職人になってしまう。

「ん?そう言えば君の格好………このあいだ買っていったものだね?」

そう、今日彼女が来ている服はいつものブレザーとスカートではなく、
この間彼女が香霖堂で買っていったワンピースだ。

そのワンピースは白色で胸元に花のワンポイントがついただけの
飾りっ気の少ないシンプルな物だが
裾のフリルや通気性の良い生地を使用していて中々凝った作りになっている。
こういった服は着る方にもそれなりのレベルを要求するものだが
彼女の腰まで届くミディアムパープルの髪と綺麗な赤色をした目がアクセントとなり
中々似合っていた。

もっとも本人は初めて着る服の気恥かしさで自分を見る霖之助と目を合わせようとしなかったが。

「はい、使う事が条件で安くしてもらったんですから着なくちゃいけないと思って」

まだこの服に慣れていないのか天井の方を見ながらモジモジと返事を返す。

「でもてゐ………永遠亭の兎の子にもからかわれちゃいました、
 そんな格好して鈴仙も一人前になったわね~って」

「初めの内だけさ、珍しい物は気になるものだよ」

鈴仙との会話に一区切りつけると、
霖之助は桶に汲んでおいた水の中からわらび餅の入った木枠を取り出し
包丁を使い木枠に入れたままの状態でわらび餅を一口サイズの四角形に切り分けた。

およそ30程の個数に切り分けたものにあらかじめ用意しておいた黄な粉をまぶす。

「わぁ、店主さんって何でも出来るんですね」

「実践的でないものは一通りね、時間だけはあるからこんな事ばっかり出来るようなるんだよ」

自嘲気味に笑いながらも切り分けたわらび餅を二つの透明なガラスの小皿へ取り分けて行く。

「すまないが棚から湯呑みを二つ取ってくれないか?右上の方にあるはずなんだが」

「え、はい、これですか?」

「あぁ、それだ、ありがとう」

鈴仙が取り出した湯呑みを受け取り先ほど取り分けた小皿と一緒にお盆に載せる。
二つの小皿に二つの湯飲みこの二つを見て何か気づいたのか鈴仙が声をかけた。

「あのー、何で二つなんですか?」

「聞くまでもないだろう?もしかして甘い物は苦手かい?だったら…」

「い、いえ、そんな事は、ありがとうございます。今日は押しかけたようなものなのに」

霖之助はこの店に来る人物の中で
珍しく遠慮と言う言葉と態度を知っている彼女に思わず感心してしまう。
霊夢や魔理沙なら言わなくても勝手に自分の分を用意しているだろうし、
紫はいざ食べようという時にいきなり現れて
自分の分のお茶とわらび餅を一方的に要求してきそうだ。
そんな少女達が日常の霖之助にとって彼女の様に当り前の遠慮が出来ると言うのは新鮮だった。

「気にする事はないよ、遊びに来たというのならそれなりのもてなしはしないとね」

「あの!だったら私も運ぶの手伝います」

トタトタと駆け寄ってくる彼女に、わらび餅の乗ったお盆を任せて先に縁側の方へ行くように言うと、
自分は急須に茶葉を入れお茶用意を始める。

肝心の茶葉だが、これは先日霊夢が封を切った物を使用する。
彼女の余り物の様に聞こえるが彼女の茶を見る目は確かだ、味は保証されている。

この茶葉は霊夢が自分専用の茶葉なので勝手に飲むのは禁止と言っていたが
元はと言えば霖之助のものなのだ、二人分ほど失敬しても罰は当たらないだろう。

火にかけておいた鍋から薄い湯気が立ち始めたので火から鍋を下ろす、
そして霖之助は沸騰する直前の程よく熱せられたお湯を急須に注だ。
急須に湯が注がれると豊かな茶葉の香りが鼻の奥を刺激した。





縁側から空の方を見上げると相変わらず夏の太陽が満面の笑みで青空を遊泳していた。
ただ霖之助が台所に入る前よりは幾分下の位置へ泳いで行ったようだ。

霖之助は鈴仙が先に座っていたのを見つけると
自分もその隣へ茶の入った二つの湯飲みを置いて腰を掛けた。

「どうぞ、君の分だ」

そう言って彼が湯呑みを進めると鈴仙は一礼して湯呑みを受け取った。

そよ風が彼女の長い髪を撫で空中で遊ばせる。
しっかりと手入れの生き届いた彼女の長い髪は
その一本一本に命を吹き込まれた様ななびき方としなやかさを持っていた。
髪は女性の命とはよく言ったものだが、霖之助には彼女の髪の一本一本に命があるように思えた。

「あの、店主さん」

「ん?なんだい」

彼女の髪に見とれていたので思わず慌てそうになったが表情に冷静を取り繕ってごまかす。
こちらに振り向いた彼女は俯いてオドオドと霖之助の様子をうかがっている。
しばらくその状態で霖之助とにらめっこになったがこうしていても埒があかないと悟ったのか
意を決したように口を開いた。

「その、霊夢や紫さんは店主さんの事を名前で呼びますよね?」

「あぁ、そうだが」

「だ、だからその!私も名前で呼んでいいですか!」

割と親しい付き合いをしている霊夢と紫は霖之助の事を名前で呼ぶし
妹分の魔理沙にいたっては香霖という愛称で彼を呼ぶ。

つまりは鈴仙なりに彼女達と同じ距離に近づきになりたいという事だ、
遠回しに言おうとして逆に近道になっている気もしなくはないが。

「なんだそんな事か」

どんな重要な事かと思えばただの呼び方の事だったので一気に彼の肩から力が抜ける。

「そんな事だなんて………頑張って言い出したのに失礼しちゃいます」

プイっとふくれっ面でそっぽを向く彼女をなだめて霖之助が続ける。

「君はよく商品を買って行ってくれるお得意様だし別にかまわないよ、
 そんな事だなんて言って悪かったね、これからもよろしく、鈴仙」

「うぇ?は、はい!よろしくお願いします店しゅ、霖之助さん!」

慌てふためいて自分の名を呼ぶ彼女をみて霖之助の頬も自然と緩む、
彼女には失礼だがこういう姿は実に面白い。

「じゃぁ、お茶も用意できたしいただこうか」

「いただきます、霖之助さん」

まずは一口、わらび餅を口に運ぶ。

程よい弾力と甘さを控えた黄な粉が口の中に広がる。
予備知識だけで作った割には中々の味だ。

「美味しいです、やっぱり何でも出来ちゃうんですね霖之助さんは」

霖之助の隣で鈴仙が嬉しそうな声を漏らす。
感嘆の表情を浮かべわらび餅の感想を口にする彼女の様子を見ると
作った甲斐があったというものだ。

やはり食べ物を作るうえで喜んでもらう事と言う事は重要な事である。

「そう言ってもらえると作った甲斐があったものだよ、沢山あるからゆっくりしていくといい」

目を輝かせながらわらび餅を食べる彼女を見て微笑む霖之助。
最初は無口で無愛想な子だと思ったが単に人見知りがの気があるだけのようだ。

友人と呼べる程の間柄になった今では
警戒心や不信感は拭われ夏の日差しに負けないくらいの輝く笑顔を見せてくれる、
少し親身になるだけでこれほどまでに違うものだ。

そう思うと彼女が里で無愛想だとか暗いとかいう理由で
里の人達から気味悪がられているのは不当に思えてくる。

もっと彼女が笑ったり世間話を振り撒いたりすれば里の人と達も認識を変えてくれるはずだが。

「そうだね、そういう表情だ」

「はい?表情がどうしたんですか?」

ズズズっと茶を啜ってるい彼女の顔を見ながら続ける。

「何でもないよ、ただよく笑うなと思ってね」

緩んだ頬を隠すように湯呑みを顔の前で傾け茶をすする。

「からかわないでくださいよ、ホントにこのわらび餅美味しいんですよ?」

「これは失礼、でも君がこんな風に笑うなんて初対面の時には想像出来なかったからね」

「それは………な、馴れってものですよ!」

以前の彼女は無言で来店して勘定の時だけ少し口をきく、
彼女がこの店に通い始めた頃は大体そんな感じだった。

だがいつからか商品についての会話が増えて今では暇だったから遊びに来た、
なんて言えるような間柄になっている。

そんな間柄の友人が里で変な風に思われているのなら少しは改善してみたくなるのが
人情ではないだろうか?

正確には彼は半分人間ではないのでその言葉が当てはまるかどうかは知らないが。

とにかく、いらぬお節介かもしれぬが今の霖之助は里での彼女の印象をどうにかしてやりたかった。
そしてこの問題を解決する一番手っ取り早い方法は………

「ところで鈴仙」

「………何でしょうか?」

からかい過ぎたのかジト目とムスッとした声で返事が返ってきた、
だが霖之助は気にせず話を続ける。

「今度里で夏祭りがあるんだ」

「へー、そう言えばそんな季節ですね」

「それに一緒に来てくれないかなっと」

言葉を発した瞬間、鈴仙が口へ運ぼうとしていたわらび餅が彼女の串からポロッと落ちた。
その顔は驚きで固まっている。

言葉を発しようとしているのか唇が上下に動いているが出て来るのは声にならない言葉だけだ。

(そんなに嫌なのか、だがこのままでは根本的な物は解決しないぞ」

「駄目だったかな?まぁ君は里が苦手なようだから強要はしないが…」

強要しないというのは嘘だ、是非とも彼女に来てほしい、
ただこういった逃げ道が有るのと無いのとでは大分心の余裕に差が出る。

「………か、考えさせてくれませんか?その、色々と」

「あぁ、構わないよ、祭りの日までならいつも待っているから」

ぼけーっとした鈴仙の目は心なしか焦点が合っておらずこれ以上喋りかけても生返事だったので
それ以上会話を続けるのは断念した。

結局彼女が答えを出すのは祭りの二日前になっての事だ。

 
                         つづけ!

あとがき

冒頭でも言いましたけど、なんか続いとる!
最後の方は自分で書いてて何やってるんだろうと思いましたよ。
あれだね吉野さん所の東方女子学園読んでて自分もシリーズやってみたいなぁー
なんて考えてたらこんな事になりました。

ちゃんと終わるのかこれ?
            



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