十四朗亭の出納帳

アニメの感想、ゲームホビーの感想など 作品のジャンルにこだわらず書いていく予定です,SSとか書いてます

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十四朗

Author:十四朗
(じゅうしろう)と読みます
ロボとか好き東方も好き
趣味の守備範囲は日々拡大中
東方の霖之助SSが主流です
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短冊さくさく

二日だと短いね、時間と文章が。
紫さんは応援せざるを得ない

『短冊さくさく』


霖之助、紫






風鈴と虫の音色がいい調味料になって普通の素麺を風情のあるものにしてくれる。

七夕の日の夕方、香霖堂の縁側から聞こえてくる素麺を啜る音は二つ。
一つは店の主である森近霖之助の、もう一つは八雲紫のものだ。
談笑混じりに聞こえる素麺を啜る音は実に楽しそうである。

何故この場に紫が居るのかと言うと、
夕食の準備が終わりいざ食べようという瞬間に彼女がいつもどおり玄関を使わずやって来たのだ。
おまけに美味しそうだから自分も一緒したいと言いだすので、
渋々了承して彼女の分のお椀と箸、それからどうせ食べるなら縁側で涼みながらの方がいいと
言う彼女の提案でここで食べる事になたのだ。

もっとも最初は渋々了解した彼だが紫との話がはずむ内にそんな気持ちはどこかへ行ってしまった。


「でもよかったのかい?君の式の藍が夕食を用意して待っていると思うんだが」

「あの子の事だから自分の式でも呼ぶんじゃないかしら、
 でも一言くらい言うべきだったわね」

「自分が作った食事をすっぽかされるのはあまり気分がいいものとは言えないな」

霖之助は自分の椀に生姜を摩り下ろしながら紫に注意をする。

藍はよく出来た式だが一応感情はあるのだからその行為を無下にしてはいけないという事だ、
その言葉に加えて土産でも持って帰ってちゃんと詫びた方がいいと付け加えた。

「そうね、あの子の為にもそうするわ」

「ところで紫、君は店先の笹に短冊を吊るしてないようだが書かないのかい?」

ここ数日の間に来店した客には短冊を書いて貰うサービスを始めたのだが
訪れた客の中でまだ紫だけが短冊を書いていなかった。

ちなみにこのサービスの評価だが。
いつも来る客たちいわく「もっと力を入れる場所はいくらでもあるのに」だそうな。

「私はいいの、書いて吊るす願い事なんてないから。」

「おいおい、それはいくらなんでも寂しすぎやしないかい?」

願い事とはつまり自分の向上心だ、それが無いという事は向上心が無いという事になる。
すでに妖怪として幻想郷のトップクラスに位置する彼女には向上心が無いという事だろうか。


「欲しい物は何でも手に入るかもしれないがそれだけが願い事じゃないだろう? 
 例えば幻想郷の安泰なんてどうだい?願いが無いなんて寂しいものだよ」

「それは願い事じゃなくってあって当然のことですわ、それに私は願いが無くても寂しくないもの」

そう言い終えると橋とお椀をおいてごちそうさまと手を合わせて一言。

「おそまつさま、お茶はいるかい?」

「いただくわ、そんなに熱くしないでね」

「分かってるよ、ちまきもあるけどそっちはどうかな?」

「あら気が効くわね、ならそれも」

「はいはい」

そう言うと霖之助は台所の方へ消えていった。

紫は日が沈んで群青色になった空を見上げて一言呟く。

「だって願い事が叶ってるのに短冊を書くなんておかしな話じゃない」

誰に言うでもなくそう群青色の空へ呟いた。




また紫さんです、えらい素直な妖怪少女になってしまいましたけど

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