十四朗亭の出納帳

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十四朗

Author:十四朗
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拍手SSまとめ・ゆかりちゃん1~3

web拍手のお礼用SSを纏めてみました。
ロリ×お兄さんは銀河の真理

ちなみにゆかりちゃんシリーズはこのSSからの続き物。

『ゆかりちゃん1~3』






『ゆかりちゃん1』



「ごちそうさまでした!」

「はい、お粗末さまでした」

霖之助が紫の口元をぬぐいながらそう答える。

「? おそまつさま? このおうどんさん何かいけなかったの?」

霖之助の言い回しに紫は不思議そうな顔をした。
どうも「粗末」と言う言葉の意味を直線的に受け取ったらしい。

「いや、そう言う意味ではないよ。
 ただ食後の挨拶として、言っただけさ」

「なぁんだよかった。おじ様のおうどんさんとっても美味しかったから、
 どうしてそんなこと言うのかなって思っちゃった」

「日本語によくへりくだった言い回しだね。
 もっと言うなら慎みの心さ」

「つつしみ? そう言えばまえにらんが言ってた気がするわ」

「謙虚である事が美徳、そんな風潮から生まれた言葉だよ」

「えーっと、えーっと」

赤味がかった頬に人差し指を当てて、紫は何かを考え始めた。
どうやら何かを思い出そうとしているようだが中々出てこないらしい。

「何を思い出そうとしているんだい?」

「うんとね、らんが言ってた事なの。
 やま、やま……えーっと」

「ひょっとして大和撫子かい?」

「そうそれ! やっぱりおじ様は何でもしってるのね!」

両手を上下にパタパタとさせて喜ぶ紫の頭に手を置いて霖之助はたしなめる。

「何でもは知らないよ。僕が知っているのは僕が知っている事だけさ」

「ねぇねぇ、いみをおしえておじ様!」

「清楚で凛としていて、慎ましやかで、一歩引いたところの有る女性の事だよ」

「ふーん、おちついた女の人のことなんだ」

コクコクと頷きその意味を噛みしめる紫は、中身の詰まった木の実を探すリスみたいで面白い。
本当にこの子はいろんな事に興味を持って、それをぐんぐん吸収して行く。

教える方もこれだけ意欲がある相手だと教え甲斐が有ると言う物だ。

「おじ様」

「何だい紫?」

「ちゃん!」

「……なんだい紫ちゃん」

「あのね、ひょっとしておじ様もヤマトナデシコさんが好きなの?」

心配そうにそう聞く紫。
それに対して霖之助は笑いながら紫の頭に手を置くとこう答えた。

「確かにそんな女性もいいね。
 でも僕は自分のままで、自分の花を咲かせる女性が一番好きだよ。
 だから無理して大和撫子なんかにならなくても大丈夫さ」

「うぅ、べ、別にそんなつもりじゃなかったのに……」

俯いた紫はそのまま霖之助の胸へと飛び込んできた。
柔らかい衝撃とふんわりとした軽さ。
そして香る甘ったるいベビーパウダーの香り。

「おじ様はこのままのゆかりでもおよめさんにしてくれる?」

「このままは流石にマズイなぁ……色々と」

「およめさんにしてくれないの?」

大きな瞳が悲しさを一杯に含んで霖之助の目を見つめた。
止めろ、そんな目で僕を見るな! と霖之助は目を背けようとしたが、
それもこの小さな子に対して、随分と酷な事だと思い止めた。

代りにしっかりとした言葉で返す。

「君が大きくなって、僕を驚かせるぐらいの女性になったらお嫁に貰ってあげるよ」

「ほんとうに! うん! なるなる! ぜったいになる!
 ゆかりおじ様がびっくりするようなおよめさんにぜったいなる!」

「はっは、そうかそうか。それは楽しみだ」

「だからそれまでうわきしちゃダメなのよ? 
 ぜったいにぜったいにダメなのよ!」

「分かってる分かってる」

「ゆーびきり!」

そう言って紫が差し出した小さな小さな小指と、
それよりも随分大きい霖之助の小指を絡めて、二人はおまじないをした。

指きりげんまん、嘘ついたら針千本のーます。




『ゆかりちゃん2』



「おじ様!」

「うぉ、とっと」

香霖堂が準備中から、営業中へ移行して四半刻程過ぎた頃。
店のドアを勢い良く開けて、騒がしい来客が訪れた。

「おはようおじ様!」

「紫か、頼むからいきなり飛びつかないでくれ」

「ちゃん! もぅ、おじ様ったらすぐ忘れるんだから」

霖之助はドアを開けるなり飛び込んできた紫をしっかりと抱きとめ、
そして膝の上に座らせる。

「すみません店主殿。紫様がご迷惑を」

少し遅れてドアから紫の式神、八雲藍が姿をあらわした。
彼女は紫の式だ。紫の式だ。
くどいようだが、彼女が紫の式だ。

藍は背が高く、豊かな毛並みの九つの尻尾と、
尻尾と同じ色をした金色のショートヘアが美しい女性で、
式としての能力も右に並ぶものはそうそう居ないだろう。

藍は紫を霖之助から引き離そうとしたが、紫が「いや!」と言って聞かないので、
結局そのままの状態で話を始める事となった。

「店主殿……」

「あぁ、分かっている。今日も紫の面倒を見て欲しいのだろう?」

「何度も何度も申し訳ありません。その……紫様が店主殿以外は嫌だと言って聞かなくて」

「だってひどいのよおじ様? れーむのとこはお茶しか置いてないし、
 えーりんのところはお薬のにおいがするし、ゆゆこはゆかりのおやつとっちゃうし」

「それで僕の場所がいいのかい?」

「うん! おじ様のところはご飯もおいしくて、だれもゆかりのおやつをとらないの!
 それにゆかりおじさまのお店のにおい大好き。あ、おじ様も大好きよ!」

「そうか」

霖之助は紫の長くて、良く手入れの行き届いた髪を撫でる。
質のいい絹糸の様に引っ掛かりがなく、指の間を抜けていく。

「夕刻までお願いできますか?」

「あぁ、構わないよ。君もそんなに申し訳なさそうな顔をしなくていいじゃないか」

どうせ何時もの事だ、君の仕事もあるしね。
そう霖之助は付け加えた。

霖之助は紫をよく預かる。
藍が結界の修復等の作業に就く時、どうしても彼女の面倒を見る人が必要になる。
初めは疲れる依頼だと思いつつも、お得意様の頼みだと渋々受け入れていたが、
最近は何だか楽しんでいる自分が居る事に、霖之助は気付いていた。

紫は霖之助によく懐いていたし、
霖之助も昔の魔理沙を可愛がっていた時の経験が有る為、
小さい子供への接し方をよく知っている。

どうやら霖之助は彼女に適任だと思われているようだ。

「それとこれはつまらない物ですが」

そう言って藍は包み紙に包まれた油揚げを差し出した。
何故中身も確認していないのに油揚げがと分かるのかと言うと、
単に彼女が油揚げしか持って来ないからだ。

試しに霖之助が「また油揚げかい?」と聞いた事が有る。
それに対して藍は涼しい顔で「それ以外に何か?」と不思議そうに言った。

それ以降霖之助は、藍の持ってくる油揚げについて何も言っていない。何も。

「それでは紫様、くれぐれも店主殿にご迷惑を掛けないように」

「分かっているわよ。おじ様といっしょにおとなしくしているもの」

「では店主殿」

「あぁ、行ってらっしゃい藍」

ペコリと頭を下げ、藍はドアから出て行った。
紫と霖之助だけを残して、香霖堂はまた一人、出て行く人物を見送った。

ニコニコと笑顔のままの紫は霖之助の腕を胸に抱いて、
彼に話しかける。

「おじ様、おじ様! 今日はどんな楽しい事があるの?」



『ゆかりちゃん3』



「べつにゆかりはなむたくなんかないわよ?」

「藍から言われているんだ。お昼寝はちゃんとさせるようにってね」

「らんのおせっかいー
 ゆかりはまだまだおきておじさまとお話したいのに」

「起きたらまたしてあげるよ。それにこうして寝るまでの間にもちゃんとしてあげるから」

「むぅ、それならいいかも。ふふ、おじさまだーいすき!」

霖之助の胸元で、布団を半分程被った紫は嬉しそうに体を揺らしてそう言った。
幼児特有の柔らかな感触と、大人に比べて高い体温が何とも心地良い。
こういう抱き枕も悪くないかもしれない。

もっとも、抱きついているのは彼女の方だが。

「今日はどんなおはなしをしてくれるの?」

「質問で返すようけれど、君はどんな話が聞きたいんだい?」

「ゆかりは何でもいいの。こわいお話や、かなしいお話以外ならなんでも。
 だっておじさまがしてくれるお話なんだもん」

「ふぅむ、困ったな。
 注文が無いのが一番対応に困る。相手が何を望んでいるのか分からないからね」

「いけないこと?」

「僕が困るだけで君は悪くないよ」

霖之助は紫の額に手を当て、優しく撫でてやった。
細くて柔らかい金髪と、染み一つない白い肌。
金色の瞳や、整った目鼻立ちも相まって、全てが作り物の様な印象を受けるが、
この温かさは確かに生き物が生きている温かさだ。

毎日元気いっぱいに生きている彼女が作り物の訳が無い、
けれど時々そんな事に疑問を持ってしまう時がある。
それは、たとえ彼女が幼くともこの幻想郷を管理する者、
妖怪の賢者だからだろうか。

「おじさま」

霖之助を呼ぶ声。
それは間違いなく、彼の胸にすがる紫の声だ。

難しい顔をして喋らなくなってしまった霖之助を見て不安になってしまったのだろう。
その声にはどこか不安定なものが有った。

「ゆかりとねるのがいやになっちゃたの?
 ゆかりがわるいこでたくさんわがままを言うから?」

「いや、そうじゃないよ。君のせいじゃない。
 僕は君を嫌ってなんかいないよ。
 ただちょっとね……少し思う事が有ったのさ」

「ゆかりのこと?」

「あぁ、君の事だ。けれども悪い事じゃないから安心するといい」

「うん!」

こぼれんばかりの笑みを目の前で見せられて、霖之助の頬もいくらか緩んだ。
お願いだから、彼女にはこうして笑っていて欲しい。
せめて、せめてこうしている時以外は笑っていて欲しい。

ずっと彼女を笑顔にしてやる事は出来なくとも、自分と居る時だけはこうして……

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この危険な香り

たまりません
  • by:G
  •  | 2010/10/21/00:56:57
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