十四朗亭の出納帳

アニメの感想、ゲームホビーの感想など 作品のジャンルにこだわらず書いていく予定です,SSとか書いてます

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十四朗

Author:十四朗
(じゅうしろう)と読みます
ロボとか好き東方も好き
趣味の守備範囲は日々拡大中
東方の霖之助SSが主流です
一応現役の遊戯王プレイヤー
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ハクタク禁酒

結局期限過ぎて月曜日~
言いたい事はあるけれど言い訳はしませんよ
男は逃げない、引かない、媚びる

本来なら名無しの里の人間に名前がついてますが
別に深い意味はありませんのでお気になさらず

『ハクタク禁酒』



霖之助 慧音

「通っていいぞ里の中ではおとなしくな」

台詞と裏腹に笑顔で語りかけて来る見慣れた人里の守衛は
僕を屈託のない笑顔で迎え入れてくれた
彼の名は平八、僕が霧雨道具店に師事していた時からの友人で
その当時は僕の外見と同じような年齢だった
僕が霧雨店で師事し始めたのが二十年前でそれから十年ほどで独立したから
当時僕と同じぐらいだった彼の外見は中年に差し掛かっている
目じりにはハッキリと皺が目立つち肌も若々しい艶を失っている
頭部は彼が将来恐れていた自身の父親のようにデコの部分が広くなり天辺は薄い
半分だけ普通から外れた時間を進む僕とは違う道を行く証拠だった

「そう言う台詞は笑顔じゃなくってしかめっ面で言ってくれ抑止力に欠ける」

「友人にそんな態度がとれるもんか、お前が何もしないのは分かってるんだ
 月に一度の買い出しだろ?いい加減あんな辺鄙な場所からこっちに引越せばいいものを」

「常連に申し訳ないから遠慮するよ、前にも言ったとおり僕の店は………」

「あーその語りはいい、人も妖怪も平等に来るだろ?聞き飽きた
 でも実際あんな場所妖怪しか来ないんじゃないか?噂じゃ無茶苦茶危険な妖怪もくるって聞くし」

「そういう客に限って上客だからねウチは、そんな事よりもっと用心したらどうだい?
 もし僕が本物じゃなくって妖怪が化けてる偽物だったら大変だぞ?」

毎回来るたびにろくに調べようとしない彼に釘をさしておこう
人に化けるなんて造作もないような連中が山ほどいるんだ全く可能性が無いわけでもない

「それなら大丈夫だ」

「どうして?」

怪訝な表情で僕が尋ねると平八は白い歯を輝かせた自慢の笑顔でこう切り返してきた

「お前に化ける時点でとんでもなく間抜けだからだよ」




手に伝わってくる生活の重みを足腰の力で前に押し出し街中をリアカーで行く
天気がよく日差しの強い今日みたいな日は日陰でじっとしていたいのものだが
ここ数日天上には満面の笑みの太陽がギラギラと圧し掛かっている
この分だと先延ばしにしても当分こんな天気だろう、だったら早いうちにやってしまった方がいい
僕がいつも商品の仕入れに使っているリアカーでは人里で引っ張るには少々大きすぎるので
里に来るときはいつもより小さめのリアカーを引いて来る事にしている
夕方に差し掛かった町の往来は勤めを終えた男や夕食の材料を買いに来る女性
日が沈んだので友人と別れ帰路に就く子供達で少々ごったがえしていた
人ごみの中をリアカーで行くのは少々気が引けるがまだ買い物が残っている
今回の買い出しの基本的な内容は食料品と僕が道具屋の生業の一部としている道具作り使う基本的な素材の仕入れが主で
僕のリアカーの荷台には米や醤油などの食料品と獣の爪や牙、少量の鉱物が揺られている
(後は………酒か酒屋はこの角を右だな、あんまり時間を食うと店に戻る頃には真っ暗になるか)

「霖之助?」

僕が帰りの心配をしながら角を曲がろうとしたとき背後から聞きなれた声に止められた
声はトーンのやや高く、よく通る声質で大勢の前で喋るのに適している声だった………実際そうなのだが

「やっぱりだ目立つ髪だから後ろからでもお前だと思ったよ、久しぶりだな」

「あぁ、声で君だってわかったよ久しぶりだね」

声の主は里を守る人間の守護者上白沢慧音
平八と同じ僕の昔からの知り合いので僕と同じ半人の身の女性だ
半人なのは同じだが性格は僕と違い世話焼きでどこまでもおせっかいな所がある
一番最近彼女に会ったのは一月ほど前の買い出しの時かあの時は僕から声をかけたっけ
誰かわかったのなら振り向く必要もない、声を返すとリアカーに体重を乗せて前に進めた

「そう言うのなら振り返って話すものだぞ、お前は客商売のくせに愛想が皆無なのが問題だ」

僕の態度が気に入らなかったのか慧音はリアカーを引いている僕の前に出て注意をしてきた
白の下地に青のカラーを基調としたワンピースにいつもの変わった帽子を空色の長髪の上に乗っけ
子供達の前で見せる笑顔ではなくしかめっ面で僕の顔を睨んできた
見れば彼女は胸の辺りに紙袋を抱えている、僕と同じように買い物だろうか

「あぁ、悪あった謝るよ、ところで君も買い物かい?」

「ん?あぁ、寺子屋で使う雑貨の買い出しだよあれだけ人数がいると消耗品はすぐ無くなるんだ」

口調は困った風だが顔はほころんでいた、本気で困ってるわけではないらしい
それから矢次に自分の寺子屋の話や生徒達の生活の事を話し出した
あの子は授業中空ばかり見てるとか、あの子は授業中自分の趣味の本に没頭してるとか
子供達がはしゃぎ過ぎて寺子屋の戸が外れてしまったとか
そんな取り留めのない事を嬉々として僕に語ってくれた
自分の腕白な教え子達が元気に過ごすのが彼女にとっては堪らなく嬉しいのだろう
昔っから彼女はそうだ、他人の幸福を共に祝い他人の悲しみに共に涙する
初めて会った時から今まで一貫して彼女はそんなだった………僕に対しても
人と混じり合い彼らを生まれてから死ぬまでを見守る彼女と
自分から目をつむって蚊帳の外へ出てしまった僕では半分同じでも全然違う

「霖之助?どうした?もしかして………私の話つまらなかったか?」

「いやいや、そんな事はないよそういう話が出来るってことはいつも通りよくやってるって事だね」

慧音がしょげた顔をしていたのであわてて取り繕った
彼女は誰に対しても親切で丁寧だが自分の話を聞いてくれないことが苦手ですぐしょげる
寺子屋でも自分の話を聞かない生徒には厳しいらしい

「ならよかったよ、これから何処へ?もう帰るのか?」

話を聞いていたというと彼女の顔がぱぁっと笑顔になった
噂話や世間話とは違う方向に話好きな奴だ

「いや、まだ酒を買いに酒屋に行かなきゃならないんだちょうど無くなっててね」

「それなら私も同行していいかな?米麹を買っておきたいんだ」



慧音と一緒に酒屋に入ると昔馴染みの酒屋の大将が店の従業員に檄を飛ばしているのが目についた
大将も先の守衛と同じく僕が霧雨店に師事していた頃からの知り合いで平八と同い年だ
平八と違い外での仕事が少い酒屋の大将という地位のせいで体形は崩れ顔にはシミと皺が目立つ
今の彼はかつて彼の父親がそうだったように従業員に命令を下し酒の品質を第一に考える生活を送っている
彼自身は始めた当初散々ゴネていたこの仕事も今では自分の息子を跡継ぎにしようなんて言い出す始末だ
馴れって言うのは恐ろしい、そう言うところを含めて前の大将に似ているこの一家の血筋なんだろう
彼は酒屋に来ていた他の客より数倍目立つ僕らを見つけると笑顔で手を振って僕達に歩み寄ってきた

「ひさしぶりだな香霖堂、それから慧音さんも」

「あぁ、久しぶり」

「こんばんは大将」

「香霖堂はいつのも買い出しだと思うが慧音さんがここに来るとは珍しいな偶には酒でも飲もうと?」

「いえいえ、子供達に甘酒でも作ってやろうと思いまして米麹はまだ置いてありますか?」

「蔵に置いてあるから取ってこさせるよ少し待ってな、っで香霖堂の方は酒か?」

「そうなるね、いつも通り試飲をさせてもらえるかい?自分の舌で確かめないと」

「あぁ別にかまわな……」「なんだ霖之助?お前はここに来るたびに酒を飲ませてもらっているのか?」

僕が大将に酒の試飲を頼もうとした時に横から慧音が割り込んできた

「まだ買ってもない酒を飲むのはどうかと思うぞ」

「何事も試してみないと分からないじゃないか、お客の権利だよ」

「お前の店でそな権利を使ってる客を見たことが無いぞ」

「失礼な、僕の店は買っていった物の使い方を考えさせるのも商品の一部に入っているのさ」

「またそんな言い訳か!お前のようなペテン稼業は…」

「僕がペテンだって?そいつは聞き捨てならないな大体君は僕の商売について何も分かっていないみたいだね」

「分かってるさ、使い道のないガラクタを金を取って押し付けるのだろう?」

「全然分かってない使い道が無いんじゃなくって使い方が謎なんだよ」

「一緒だ!!」「断じて違う」

「香霖堂………………酒、どうするんだ?」







杯に注がれた清酒は濁がなくその水面は僕の顔と店の天井を映し出す
鼻を近づけたときに微かに香る香りはふくよかで雄大な樹木を思わせた
僕は杯を口に着けるとそのまま口の内へ流し込んだ
口に入れてもすぐには流し込まず舌の上で転がし味と口当たりをチェックする
アルコールが舌を刺激し口に入れる前よりも強い香りが鼻から肺へと駆け抜け
豊かな甘みと力強い辛味が舌に根を下ろし香りが葉を茂らせた

「一重に大木だなこの酒は」

「………意味が分からないんだが、それよりまだなのか霖之助?」

ムッとした口調の慧音が僕の背中に抗議をぶつけてくる
結局一杯だけということで彼女が折れた、相変わらずせっかちだ
出鱈目に結んだ縄の結び目のように彼女の頭は固い
いくら硬くても縄はほどけなければ意味がないだろうに
上手い縄の結び目は硬くとも手順を踏めば簡単に解けるものだ
僕のように柔軟な考えを彼女にも是非持ってほしい
僕の後ろで待っている慧音は胸の前で腕を組み口をへの字に曲げ如何にも不服そうな顔で僕の背中に視線を突き刺してくる
酒をあまり飲まない彼女には至高の一時を理解できないらしい「どの酒も同じじゃないか」なんて顔だ

「もう少し待ってくれ、この酒………実に興味深い味だ」

「いつもと一緒だろう?そんなことより…」

「酒を嗜まない君には分からないかもしれないが
 酒選びはそれをたしなむ者にとっては至高の瞬間なんだ
 僕にとっては一月付き合う事になるかもしれないんだ味だからね大将、同じ酒蔵の前の年の酒を頼めるかな?」

慧音が何か言おうとしたがそれを遮り僕が続ける
彼女には悪いが今はこの酒が重要だ、なんせ僕が一日の労働を終え自らを労う為の酒だ
そんな酒に選択ミスがあってはならない
ここは入念に比較とチェックを重ね厳正な判断のもとに………

「?大将?同じ蔵の酒を頼んだんだが」

「香霖堂、持ってきたいのは山々なんだがほら」

酒屋の対象が焦った顔で僕の背後を指さした
指さされた方向を見てみると慧音が肩を震わせ物凄い形相で僕を睨んでいる

「お前は!!人の事をもっと!!!」

「………慧音、僕が」「考えろぉ!!!!」

僕が振り返って謝ろうとした頃にはもう遅かった
いつもの帽子を外し顔を真っ赤にして怒った慧音が丁度彼女に振り返った体制の僕目掛けて
頭突きを繰り出してきた真っ最中だった、この距離では振り向きざまに避けられず
腹に鈍い衝撃が走りそのまま3尺ほど後ろに吹っ飛ばされ酒屋の土間で盛大に尻もちをつく事になった




まだ痛い腹部を気にしながら早歩きの彼女にリアカーで必死に着いて行く
彼女の体を張った催促のおかげで酒はさっきのに決まった
僕としてはもう少し吟味したかったのだがまた今度一人で来た時にしよう
これ以上やると本気で彼女が怒りそうだ
まだご機嫌斜めな慧音は肩を怒らせ胸の前で手を組み僕の四歩先を早歩きで進んでいく
彼女が購入した寺子屋の雑貨と米麹はチャッカリ僕のリアカーに載せてある
腹部の痛みがまだ収まらない僕にとってその速さにリアカーを押してついて行くのは骨が折れる、実際折れたかと思ったが
かといってヤマアラシの様な彼女にゆっくり歩いてくれなんてお願い出来る筈もないし通るわけもないだろう
元々自分から蒔いた種とは言えこの空気は苦しい………アノ方法でも使ってみるか

「慧音、提案があるんだがいいかな?」

「………なんだ?言ってみろ」

よし、まだ取りつく島はある
財布の中は買い出しの為にそこそこ膨れてる筈だ僕達二人分なら大丈夫だろう
下手に拗らせるより今多少の対価で後腐れなくする方が貴重な親友との関係を拗らせずにすむ
今回は彼女をおざなりにした僕に全面的に非がある、いたしかたないことだ

「さっきは悪かったね、別に君を蔑にするつもりじゃなかったんだ
 ただ少し君の事を気にしてやるべきだった」

「……………………」

「まぁ、こんな事を言ったところで謝罪の意を示せると思わない
 だから今夜食事は僕が奢ろう」

「いいのか?」

「食事で釣ったみたいだがこれが僕なりの誠意だよ、昔っからそうだっただろう?」

「まだ気配りの心を忘れてないようだな、ちょっと見直したよ」

「それはそうだよ客商売だしね」

「でもあくまでちょっとだからな!ちょっと!」

「ハイハイ、別に繰り返さなくてもいいよ」

「うるさい!!大事なことだ!!」

どう大事なのかは知らないが僕が食事を奢れば許してくれるだろう
まったく予想外の出費だ………でも悪くない
彼女と食事をするのも久々だしゆっくり腰を据えて話すのも久々だ
店は昔霧雨の親父さんとよく行った所にしよう
あそこなら慧音も知ってるだろうし里にしては珍しく騒がしい店でもない
慧音にその事を伝えると二つ返事で了承してくれた
笑顔で答えてくれた辺り半分くらい機嫌は直ったようだ
僕達は二人で並んで店へと歩きだす
さっきと違い慧音は僕の速度に合わせてくれた





僕が修業時代からよく来るその店は
香霖堂よりも大きめの店舗で表に小さな看板を立てかけただけの地味な店だ
立地条件が里の大通りから少し外れていることもあり客はいつ来てもまばらだった
まぁ、僕の言えた義理ではないが
カウンターで女性の店員に二名と座敷を希望していることを伝えるとすぐに通った
二人で座敷を使うのは少々贅沢だがあそこなら周りの音を気にせず話ができる
僕達は店員の案内で奥の座敷へと案内された
席に着くと僕は焼き鶏と酒を慧音は鮎の塩焼きと茶を頼んだ

「君はこんな席でも酒を遠慮するんだね、飲めない訳じゃないのに」

「酒は祭りと正月以外は飲まないことにしているんだ」

「昔はそうでもなかった気がするが………半獣なのに健康に気を使って禁酒かい?」

「半妖だからって健康に無頓着な奴よりまともだとは思うがな
 里で飲もうとするとどうしても一人になるんだよ、だから酒はあんまり飲まない事にした」
 
「確かに行き遅れた寺子屋の先生が毎日一人で自棄酒なんて噂みっともないからね」

「私は里の人間を皆平等に見送るんだ夫や子供が出来たらそれが出来なくなる
 心配しなくてもお前や妹紅が居るから独り身も寂しくないよ」

「そうかい、君がそう言うのならそうなんだろうね」

それから僕達は料理が運ばれてくるまでチビチビと会話をした
彼女の寺子屋の事、最近の霧雨店の事、外の世界の道具の事
僕の店の客の事、異変の事、稗田家の事
どれも数回のやり取りで終わるくらい短めの話だったがお互いの周りを知るには十分だった
そのうち僕達が頼んだ料理が運ばれてきて彼女と酒とお茶で乾杯をした、実にアンバランスだ
彼女が言うには里もそろそろ世代交代だそうだ、門番の平八や酒屋の大将なんかがそうだろう
僕から見て彼らは駆け足で進む、一度赤ん坊の魔理沙を腕に抱いたことがあるがそんな彼女は一瞬だ
僕が次に会ったときは二つの足で立って大人と同じものを食べ幾らか嘘をつくようになっていた
その時は彼女の成長に喜んだ、子供の成長の早さに感心した、まるで自分の娘のように
だが内心恐怖していたのかもしれないあの赤ん坊が引いては恩師が自分を置いて行っていることを
幻想郷に来る以前は人と言う生き物に親身になて触れたことが無かったからそんな悩みは無用だった
ただ自分の食いぶちを稼ぐための取引相手ぐらいにしか考えてなかった
それが幻想郷にきて里に下りてからは激変した、商業を学んでゆく過程で彼らが利害関係以外の者だと分かった
ここの里は僕のような混じり者にも優しい、半妖と分かっていても当然のように食事や酒の席に誘ってくれるのだ
そんな中で暮らしているとどうしても自分と彼らの時間が対等だと感じてしまう時がある
皆が徐々に年を取っていく中で彼らと同じように自分を老いているのだと勘違いしてしまう
それがこの幻想郷に来て一番の悩みだった………………贅沢な悩みだ
そんな中で僕と同じ様な境遇の慧音はそれを悩みと捉えていなかった
生まれも育ちも幻想郷で幼少期から人と過ごし何代も見送ってきた慧音はそれが悩みでないと言った
寂しさはあるが悲しみは無いそうだ、一度その理由を確かめてみたら彼女は遠くを見るような眼で僕に答えた

「私は昔から彼らにお世話になりっぱなしなんだ、こんな身になる前からね 
 だから世代が代わっても彼らの傍にいて過ぎて行く人々を見送り歩きだした子供を育てていきたいんだ」

そう言われた、別れに耐えるだけの強さがあり根がしっかりした彼女ならならではの考え方だ
とても僕には真似できない、だから僕らしく人と妖怪の境界線で古道具屋なんてやってるんだろうけど
自分の知識欲を満たし好きな様に生活する慧音にだらしないといわれても文句は言えないこれが僕なりの処世術だから
慧音の説教も嫌いではないが同じ彼女の相手ならやっぱりこんな風に食事でもしながら会話する方がいい
彼女となら同じ年の取り方が出来る、三世代先まで話し相手は安泰だな

「霖之助、手が止まってるぞ食欲ないのか?」

「いや大丈夫だよちょっと考え事をしていただけだから」

「そうか、ならいいんだ……………なぁ霖之助」

「なんだい?」

「お酌してやろうか?」

「………僕が見てない間に飲んだりしてなかったかい?」

「な!失礼な!私は飲まないと決めたときは飲まないんだ!
 人がせっかく気を聞かせてやったというのに!お前は」

「じゃぁお願いするよ」

「へぇぁ?」

僕の態度に対して説教を続けようとした所で僕が了承したものだから変な声になっている
相変わらず出鼻をくじかれるのに弱いな彼女は
ジト目で睨んでくる彼女にとっくりを渡してお酌をお願いした
明日の開店は少し遅くなりそうだな、なんて考えながら注がれた酒を流し込んだ


あとがき
タイトルが意味不明、禁酒物の話とかじゃないんですけどね

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