十四朗亭の出納帳

アニメの感想、ゲームホビーの感想など 作品のジャンルにこだわらず書いていく予定です,SSとか書いてます

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十四朗

Author:十四朗
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趣味の守備範囲は日々拡大中
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枕と会話

ピロートークのピローは枕と言う意味っ……!!
つまり膝枕状態で会話してもピロートークと言う事っ………!!

甘い紫霖が書きたかった、反省はしている。



『枕と会話』



紫、霖之助







体が酷く重い。

暗い意識の中で霖之助が最初に思った事がそれだった。

まるでたっぷりと水分を含んだ泥の中に居る様な気分だ。
いや、泥の中に居ると言う表現は少し適切ではない。

四肢がぐったりとして動かないその様は泥そのものと言っても過言ではない。

グチャグチャになった意識の中から、自分が今まで何をしていたのかを掘り起こす。

まず、酒を飲んでいた。
今まさに泥酔状態で横たわっているのだ、それは間違いない。

場所は香霖堂の縁側、確か誰かと飲んでいたはずだ。
その相手は………

「お目覚めかしら? 霖之助さん」

グチャグチャの意識が頭上から掛けられた声によって少し元に戻る。
綺麗な声、女性の声だ。

霖之助はこの声の主を知っている。
声の主は八雲紫だ、やっと思い出せてきた。
霖之助は八雲紫と飲んでいたのだ。

「あぁ、体は泥みたいに重たいけどね」

「まさに泥のように眠るね」

多少マシになった思考能力を使って辺りを観察してみる。

雲の切れ間から小さな星が小さく瞬く夜空。
夜明けが近いのかもう月は沈み、
空には何もかもを飲み込んでしまいそうな黒だけしかなかった。

縁側には空になった一升瓶が纏めて置いて有った。
恐らく紫が片付けやすいように並べておいてくれたのだろう。

纏められた一升瓶の横には朱色の杯が二つ重ねて置かれていた。
更にその横には、つまみとしてを盛るために使った大皿も置かれている。

これだけ整理されていれば片付けるのも楽だ。
当然の事だが、好き勝手飲んで騒いで帰るだけよりも、
こうしてきちんと片付けの事まで考えてくれる方が気分がいい。

しばらくそういった相手と杯を交わしていなかったので、
こうした紫の行動は嬉しい。

「おはよう、霖之助さん。
 一から十まで説明した方がよろしいかしら?」

「おはよう紫。説明ならそんなに要らない、大体理解したから」

「そう、なら簡単ね。貴方は酔い潰れて寝てしまった。
 それを私が介抱した。以上よ」

「分りやすくって助かる。それよりも紫」

「なぁに、霖之助さん」

「この体勢はなんなのかな」

霖之助は意識がハッキリしてから疑問に思っていた事を紫にぶつけた。

霖之助は今縁側に仰向きに寝そべっている。
それはいい、だがその霖之助が頭部を置いている場所、そこが問題だった。

その場所は柔らかく、温かみが有り、微かな優しさを感じさせてくれる場所で。
冷たく固い板張りの縁側とは正反対だ。

そしてその場所からは紫の顔が真上に見える。

となると答えは簡単。
今霖之助が頭を置いている場所は紫の膝の上だった。

「膝枕ですわ」

「うん、それは分かる。もう頭が回らないほど酔ってないからそれは分かる。
 僕が言いたいのは、どうして君がこんな事をしてるかって事だ」

「板張りの床にそのまま寝かせたら冷たいじゃない。
 それに枕が有った方が眠りは深くなるわ」

「ありがとう、君のお陰で快眠だったよ。
 でもそう言う問題じゃない」

困惑の色が浮き彫りになった表情で質問する霖之助の首元に、
紫の手が優しく置かれた。

白く傷一つ無い綺麗な手。
指の一つ一つが長く、繊細な形をしている。

まるで人形師が寸己の技術の粋を集めて作った芸術品の様にも見える。

「私の好意よ。大人しく受け取りなさい」

紫の仕草も相俟ってその言葉がやけに官能的に聞こえる。
それは金管楽器の一番高い音色のように霖之助の頭に響いた。

「見たところ月も沈んでから久しい。
 僕はどれぐらい寝ていたのかな?」

「およそ一刻ほど」

「その間君はずっと起きていて僕の面倒を見てくれてたのかい?」

「えぇ、貴方の寝顔を観察してたの」

「………ありがとう」

何と言うか意外だった。
彼女だったら自分など放ったらかしにして、
そのまま帰ってしまうとばかり思っていたからだ。

その方が一夜の夢のようでまだ彼女らしい。
朝起きたら一緒に居た女性が居なくなっているなんて言うのは、
日本の昔話の典型的オチの一つだ。

その時に運が悪いとお金や大切な物を持っていかれる。
彼女だと本当にそうなりそうで怖い。

「気分はどうかしら?」

「目が覚めた時よりはよくなって来たよ。
 それと同時に気持ち悪さが襲ってきたけどね」

「お水があるけれど、必要かしら?」

「いただこう」

霖之助がそう応えると紫は少し霖之助の後頭部を持ち上げ、
予め用意しておいた水が入ったコップを、霖之助の口元に近づけた。

幼子の様な扱いに少々戸惑ったが、今はそんな事を言っている場合ではないし、
せっかく紫がしてくれている事なので甘んじて受け入れる。

口に付けられたコップからコクコクと小さく喉を上下させ、
水を体内へと流し込む。

大体コップ半分ぐらいを飲んだところで、
紫に手で「もういい」とてで合図をした。

「珍しいわね、貴方が潰れちゃうなんて」

「少し強い酒だったかね。君のペースに付き合ってたら自然と潰れてしまったよ」

「酷いわ、私のせいにするなんて」

「悪かったよ、もしも君が酔い潰れることが有ったら、
 僕が介抱するから許してもらえるかな?」

「今みたいに膝枕をしてくれるのかしら?」

「僕の膝は君のに比べて固いと思うよ。
 君のは柔らかくて気持ちがいい」

「お肉が付いてるって言いたいの?」

「いいや、女性的で素敵だって事さ」

紫の手が今度は霖之助の頬を撫でた。
しっとりとした感触とひんやりとした体温。

夜風に当たりすぎて冷えたのか、元から体温が低い方なのか、
霖之助には分からなかったが、火照った体には丁度いい。

「もう一度聞くけど、気分はどう?」

「さっきも言ったように意識はいくらかハッキリとしてきたよ。
 でも体が泥のみたいに重い、まるで意識と体が別物みたいだ」

「そう、立派な泥酔状態じゃない。二日酔いが怖いわ」

「あぁ、明日は店を休みにしないと」
 
軽く息を吐いて呼吸を整える。
胸焼けに頭痛や吐き気。
今の穏やかな時間からは考えられない程の地獄の数々だ。

「実に嫌な気分でしょう?」

「あぁ、このまま泥の様に溶けてしまいたいよ」

「泥のように………ねぇ」

スーっと紫が霖之助の顔に自分の顔を音もなく近づけた。
緩やかな動きだったが、本当に静かな動きだったので、理解が追いつかなかった。

「私は泥のように交わりたいわ」

「………面白みのない冗談はよしておくれよ」

「冗談なんかじゃないわ」

その言葉の直後、霖之助の顔の両側が紫の手で抑えられた。
これでは顔を背けることも出来ない。

じっと紫の目を見つめるしか、今の霖之助には出来なかった。

紫の真っ直ぐな目線は霖之助に瞬きの時間すら忘れさせる。

「汗も唾液も精液も愛液も、全てが混じり合えばきっと今の気分も少しは良くなるかもしれないわ」

甘い吐息が地肌に触れる。
耳から入る言葉が直に霖之助の心に訴えかけ、激しく心臓を揺さぶる。

「止めた方がいい。今ならお互い忘れられる」

「忘れたくなわ。そして貴方も心の底で忘れたくないと思ってる」

「それが僕の本心だとで、んぅぐっ!」

言葉を言いかけて紫の唇が霖之助の口を塞いだ。
唇が触れ合った瞬間に紫の舌が霖之助の唇を割って、
口腔内へと侵入する。

舌を絡みつかせ、じっくりと味わい、熱い吐息を送り込む。
この一連の動作がゆっくりと行われた。

粘性を持った物体同士が絡みあう音、舌を吸い上げる音。
そんな淫らな音が二人の間を支配する。

せっかく纏まってきた意識がまたドロドロに溶けだす。
もう、何も考えられない。

甘く、そして熱情的な行為がそうはさせてくれなかった。

やがてたっぷりと時間を掛け、
紫の舌が霖之助の口腔内を蹂躙し終えると、
紫は霖之助の口内からゆっくりと舌を抜いた。

混じり合った唾液が糸を引いて切れる。

顔を上げた紫は熱っぽく、色を含んでいた。
対する霖之助も目に熱を含んでいた。

「なんの………つもりかな」

「お誘いのつもりよ」

「止めておこう、僕達はまだそうなるべきじゃない」

「なら何時になったら私達はそうなれるのかしら?
 もうずっと貴方と私はこうして着かず離れずを繰り返しているわ。」
 今日みたいに唇を交わしたのは初めてかもしれないけれど」

「そう、僕達は友人なんだ。これ以上続ければお互いにもう友人として見れなくなる」

「いいえ、もう手遅れよ。もう貴方も私も互いに友人として見ていない。
 男と女としてここに居るわ」

「戻れないかな? 少し前まで」

「無理よ、事実は確定しているもの。それに貴方のその言葉は本心じゃない」

その言葉に霖之助は言い返さなかった。
いや、言い返せなかった。

一点も外すことなく霖之助の心を言い当てたその言葉に対する切り返しが考えつかない。
もう、彼女を普通の目で見られない。
心が男女の境界線を超えてしまったからだ。

「だったら………少し待って欲しい」

「本当に少しだけよ。それ以上は承知しないわ」

「明日の夜、香霖堂に来てくれ。それまでに答えを出す」

嘘だ、答えは既に決まっている。
決まっていないのは決意の方だ。

「なら今日のところはおいとまするわ。
 でも、明日の夜、貴方の答えを確認しに来ます」

「あぁ、待ってる」

「さようなら霖之助さん」

「さようなら紫」

別れの挨拶が交わされた瞬間、
霖之助の後頭部を支える紫の太股は消え、
代わりに座布団が霖之助の後頭部を支えていた。

先程までの心地よさに比べれば何段も落ちるが、
今霖之助の中で渦巻いている問題を纏めるには、これぐらいが調度良かった。

そろそろ空が白んできた。
山と空との境界線がハッキリとし始め、
朝日の山吹色が夜の群青を消し去って行く。

霖之助はその場でずっとその光景を見ていた。
単純に体がまだ動かないと言う事もあったが、
今はただそうしてボーッとしていたかった。

Comment

#No title
な、何故十四郎のSSに隠語が……!
十四郎はとうとうネチョへの道に踏みだしてしまったというのかッ!?
…ああ、なんだ。十四郎に道草さんの霊が取り憑いただけか
なら仕方ない
  • by:
  •  | 2010/02/14/02:23:55
  •  | URL
  •  | Edit
#No title
祟りじゃー!道草の崇りじゃー!
  • by:
  •  | 2010/02/14/03:38:11
  •  | URL
  •  | Edit
道草さんが乗り移ったなら仕方ないな

さぁ 続きを書くんだ!
  • by:
  •  | 2010/05/01/23:02:17
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