十四朗亭の出納帳

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十四朗

Author:十四朗
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朱鷺のすみか 2

朱鷺霖二日目~

今日はクリスマスイブで季節は冬だけどプールの話。
朱鷺子と霖之助の親子化が止まらないw


『 朱鷺のすみか 2 ~朱鷺子とプールと日焼け~ 』



朱鷺子、霖之助






数え切れない程口づけを交し、何度も何度も息を吹き込んだ。
長く辛い道程だった、だがそれも終わる。

ゴムプールを膨らませるという使命が。

霖之助は限界なんてとっくに超えている自分の肺に息を溜める。
肺に空気が入るだけ入ったら、
今度はゴムプールのチューブへと口を付け空気を送り込む。

「はぁ…はぁ…やっと終わった」

朱鷺子が暑くて暑くてまいってしまうと言うので、
外の世界のゴムプールとやらを膨らませてみたが、
これがかなり大変だった。

こんな事を毎日やっていたら肺が持たなくなるか、
強靭な肺活量を手に入れるかのどちらかだろう。

生憎こんな事は毎日したくない。

お陰で息は絶え絶え、顔も真っ赤だ。
朱鷺子の気が紛れたらこんな物はさっさと片付けてしまおう。

後はこのプールに水を張るだけだ。
水を張るだけなら井戸のくみ上げ器に、
大きめのホースを取り付ければ楽にこなせる。

そろそろ朱鷺子にも準備をしてもらわないと。

「朱鷺子、そろそろ準備が出来るから着替えたほうがいいよ」

居間の方で寝そべって本を読んでいる朱鷺子に声を掛ける。

「んー分かった。ねぇ霖之助」

「なんだい?」

「さっき霖之助がプールを探してた所からこんなのが出てきたんだけど」

朱鷺子が霖之助にあるものを差しだす。

それは長いチューブが付いていて、
その先は何かに差し込むような形になっている。

チューブの付け根には円柱型の物体が付いてあり、
押すたびにチューブの先から空気が出るようだ。

霖之助の能力で名前と用途を見てみたところ、
名前は「足踏み式空気入れ」用途は「空気を入れる」

その事実を知った途端、凄まじい徒労感に襲われた。

今までの時間と労力を返してほしい。





「冷たーい! 生き返るわー」

後ろが大きく開いた青いワンピースタイプの水着を着てはしゃぎ回る朱鷺子。

背後を大きく開けたのは背中の羽が邪魔にならない様にだ。
その甲斐あってか着やすくて動きやすと彼女に好評だった。

「ねぇねぇ、霖之助は入らないの?
 気持ちいいよ、嫌な暑さなんて全部わすれられるよ」

アヒルの玩具や船の玩具を浮かべたプールに浸かりながら、
朱鷺子が不思議そうに聞いて来た。

「僕はいいよ、そんな事をする歳でもないしね。
 それに僕が入ると狭苦しくて遊べたものじゃないよ」

「歳をとると遊ぶことに関しても枯れるのね」

「それは違うな、もっと落ち着いた遊びが好きなのさ」

「お店の経営とか?」

「アレは仕事だ、遊びとは違う」

「えーでも良くお客さんが道楽商売って言ってるの聞くよ~」

「どのお客さんかな?もう少し詳しく話を聞かせてもらえるかな?」

道楽商売とは失礼な。
お客様と言えど言っていい事と悪い事がある。
今度そんな事を言ったお客が来たら商人としての本気を見せてやろう。

そう霖之助は心に誓った。




「きゃぁぁぁ!!」

その日の夕方、浴室から朱鷺子の悲鳴が響き渡った。
外で風呂釜を焚いていた霖之助にも当然聞こえていた。

理由は大体分かる、日焼けだろう。
日焼けした肌で風呂に入るとヒリヒリと痛む。

朱鷺子はその辺りが迂闊だったらしい。

「ヒリヒリするよぉ、霖之助ぇ~」

「日焼けだね、それよりも湯加減はどうかな?」

「今はそれどころじゃないわよ! うぅ、ヒリヒリ」

「やれやれ、ちょっと風呂釜から離れるよ」

「なにするの?」

「皮膚に塗る軟膏を取ってきてあげるよ。
 風呂から上がったらちゃんと塗るんだよ?分かったね」

「うん! 塗る、塗るから! ありがとう霖之助!」

「ふむ、どういたしまして」

朱鷺子に言葉を返すと霖之助は店の方に向かう。
確か薬箱はカウンターの中に置いてあったはずだ。

霖之助は店のカウンターへ向かうと、
記憶の中と同じ場所に置いてあった薬箱をカウンターの上に乗せ中身を漁る。
軟膏はすぐに見つかった。

それから霖之助は薬箱を元あった場所と同じ場所に戻すと、
今度は脱衣所へ向かう。

脱衣所の扉を開けると朱鷺子の寝巻と脱ぎ散らかされた朱鷺子の服があった。
とりあえず軟膏を朱鷺子の寝巻の上へ置く。

それから脱ぎ散らかされた朱鷺子の服を洗濯かごの中へ纏めて放り込んだ。

まったく、手間のかかる子だ。

「薬は着替えの所に置いておいたからね。
 しっかりと皮膚に塗るんだよ?」

「あ、ありがとう霖之助」

「どういたしまして。
 まぁ、これはツケにさせてもらうけどね」

「うっ、やっぱりそうくるのね」

「あたりまえだよ、香霖堂はお店だからね。
 ここにあるものを使いたかったらそれなりに対価がいるのさ」
 

 

それから少しして風呂から上がって来た朱鷺子だがどこか様子がおかしい。

聞いてみると軟膏が背中の方まで上手く塗れないようだ。
特に羽の付け根あたりが塗れないらしい。

「それで僕に塗ってほしいって?」

「……うん、この店には他に人居ないし」

「まぁ、別に構わないよ。
 ほら塗ってほしいなら早く服を脱ぐんだ」

「えぇ!?やっぱり脱ぐの?」

「脱がなきゃ塗れないじゃないか」

「そ、そうだけど」

朱鷺子は散々渋った挙句、
霖之助の言う通りパジャマの上着を脱いだ。

キャミソール姿の朱鷺子を前に座らせ、背中の部分の生地を捲り上げる。

日焼けのせいで赤くなった肌、
このまま放置しておくとシミや皮膚の病気に繋がる。

霖之助は軟膏を指に付け背中の中心から外側に掛けて丁寧に塗っていく。
日焼けは羽の付け根の辺りが一番酷かった。

下手に背中を露出する水着を着ていたのが祟ったらしい。
これについては水着を改造した霖之助自身も考えるものがある。

「ふぅ~軟膏ってひんやりしてて気持ちいい~」

「ほら塗り終わったよ、もう服を着ても大丈夫だ」

「ん、ありがと。
 ねぇねぇ、流しそうめんってした事ある?」

「まぁ、何度かは」

と言っても、主に霧雨の家で修行をしていた時に数回有るぐらいだ。
夏になると霧雨の親父さんが何度かやろうと言ってやった覚えがある。

でも手間が掛るだけでやる事は素麺を食べると言う事だし、
人数がいなければ面白みも半減だ。

「最近本で読んだんだけど、ちょっとやってみたいかな」

そらきた、やっぱりそう言うと思ってた。

「二人でかい?」

「それは、その……何人か人数集めて」

「用意は誰が?」

「………霖之助かな。は、ははは」

乾いた笑いでごまかそうとしてもそう上手くはいかない。
自分がやりたい癖に自分が何の苦労もしないと言うのは、
いささか都合がよすぎる。

そこで霖之助はある条件を提示する事にした。

「まぁ、別に準備ぐらいはしてあげてもいい。
 だが問題は人数集め。これだけは君がやってもらうよ」

「え?してくれるの?」

「人数が集まればね。そうだな………僕達二人を勘定に入れて最低四人くらいかな」

このくらいが妥当だろう。
もう一人ぐらい居てもいいところだが、
朱鷺子に人数集めを期待するのは少々酷な事だ。

「やったぁ!約束だからね?人数を集められたら流しそうめんだよ?」

「分かってる、商人は信用が一番だから嘘はつかないよ」

さて、こうなったら明日は朝一で竹林に竹を取りに行かなくては。
明日は目の前に居る幼い妖怪の我儘に振り回されることになる。

でも偶には我儘を聞くのも悪くないかもしれない。
こういう子の面倒を見るのは割と楽しい。

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