十四朗亭の出納帳

アニメの感想、ゲームホビーの感想など 作品のジャンルにこだわらず書いていく予定です,SSとか書いてます

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十四朗

Author:十四朗
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ロボとか好き東方も好き
趣味の守備範囲は日々拡大中
東方の霖之助SSが主流です
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これはSSなのか?

か、書けた随分時間かかった気がするけど多分書けた
は、初めてSSを書いたがど、どうってことあったぜ

 『速くない天狗』 


射命丸、霖之助 たぶんCP要素なし


この店の使用用途のわからない道具の大半は
もとあった場所から日当たりのよい場所に移され
いつもなら絶対しないような奇麗な並べ方で窓際に並べられている
元より静かなこの店に響く音は、長かった冬の埃を取っ払うはたきの音だけ
はたきを使う青年の名前は森近霖之助この店『香霖堂』の店主で半人半妖
いつもならこんな天気の良い日は大人しく店のカウンターで読書をするか
未鑑定の道具を鑑定するのが霖之助の日常で
少し天気がいいからと言って店の大掃除などをするような開けた性格ではない。

彼がひとり立ちをする前
霧雨道具店で奉公をしていた時は年に二回、春と冬に大きな掃除を行っていた
香霖堂と違い部屋が何十とあり店頭も倍以上ある霧雨道具店は
使用人と従業員、時には親父さん自ら埃と煤塗れになって掃除を指揮していたものだ
春先に掃除を行うのは親父さんの趣味で
「冬のじめじめした埃をほっておくのが我慢ならない」
と言って年末の掃除よりも入念に
それこそ屋敷の汚れを全部外に出してしまうぐらい丁寧に掃除を行った
その願を担いで独り立ちした今もこうしてほとんど同じ時期に大掃除を行っている
あの時と違うことと言えば随分と静かな大掃除だということ
魔理沙でもいれば少しは賑やかかもしれないが彼女は掃除と聞くとすぐに何処かに行ってしまう
霊夢はこんな時に限って店にやってこない、勘がいい彼女らしく厄介事のある日は影さえ見せない


ふと開けておいた窓から外を見ると店のほうに何かが飛んで来るのが見えた
それは山のほうから黒い翼をはためかせて真っ直ぐ店の方向に飛んできているようだ
はじめは点にしか見えなかったそれも近づくにつれて形がはっきりと浮かび上がってくる
短めに切り揃えた黒髪ショートヘアー
頭に小さな赤い頭巾を被り頭巾と同じ色の赤い一枚歯の下駄を履いき
白いYシャツと黒のショートスカート姿のブン屋、射命丸文
「おかしいな新聞なら一週間ほど前に受け取ったはずなんだが」
彼女の新聞は不定期に発行される、ネタが貯まりやすい異変があった時期なら週二ペースで
何もない平常時なら月二が妥当なところだろう
今がどちらかと聞かれれば無論後者にあたる
一番最近起こった地底の異変のピークはとっくの昔に過ぎたので
比較的緩やかなペースでの発行だと思っていたが号外だろうか?
「なるほど、そういえばそんな時期だったな確か去年も同じような時期に」
何か思い出したのか頭に着けていた手拭いをはずし丁寧に畳んで戸棚にしまうと
湯のみと急須の準備をし始めた
「霊夢がこの前開けたお茶が確かこの辺りに………もう着いたようだな」
霖之助はカウンターの椅子に腰をかけると頬杖をついて玄関の方を見つめた
外では射命丸が着地態勢に入っている
翼を上下に動かし地面との距離を詰める
その間風は地面に打ち付けられるが不思議なことに砂埃が上がることはない
いや、彼女が気流を操り砂埃を上げないようにしているのだろう
掃除の最中ということを察してくれたらしい
記者としてよく気配りの出来る子だ、彼女の方が年上だが思わずこんなことを考えてしまう
遠慮とは無縁のお客が多い中でこういう子は大歓迎だ
「こんにちは香霖堂さんお掃除中失礼します」
射命丸は玄関でペコリとお辞儀をするとカウンターのほうへ歩み寄ってきた
「いらっしゃい、用件なら察しているよ椅子なら好きなものを使ってくれてかまわないよ」
「ありがとうございます香霖堂さん、では遠慮なく」
そういうと近くに置いてあった椅子をカウンターの前に引き寄せる
「お茶とお茶請けを持ってくるよ、ペンと判子もだったね」
「そんな、お構いなく今日は私がお願いする立場なんですから」
身振りと手ぶりで遠慮の仕草を示すがいつもの飄々とした遠慮の仕方ではなく
どことなく焦りの感じる表情だ
「遠慮はいらないよ本音を言えば僕だってうれしい機会だからね」
そう言うと霖之助はお茶の支度をしに店の奥の台所へと消えていった


今回彼女、射命丸文が香霖堂に来た理由は彼女の発行している文々。新聞についてのことである
彼女の新聞は天狗の仲間内ではマイナークラス、妖怪の山の外でもやはりマイナーの部類に入り
一部のコアな購読者によってそのか細い生命線をつないでいる
文々。新聞は基本的に年間契約した購読者の数だけ刷られ配達される
これは規模の小さい文々。新聞にとっては当然の策だと言える
大手の天狗の新聞のように毎日発刊、大量印刷という訳にはいかない
そんな事をしようものなら彼女は新聞の山と寝食を共にする羽目になる
その年間契約の更新の為に彼女はこうしてやってきたのだ
彼女はこの時期になると年間契約が打ち切られないようにいつも以上に下手に出る
自分の新聞を読んでもらうのが嬉しい、その喜びを誰よりも大切にする彼女らしい行動だ
その為に契約を打ち切られまいと契約の更新を聞きに来る時彼女は粗品を持ってくる
粗品と書くと大したものでないように思えるがなんせ彼女は天狗だその粗品はただの粗品ではない
昨年、契約を渋っていた霖之助を見た彼女は粗品として
妖怪の山のヤツデの葉を粗品として贈呈してくれた
この葉は妖怪の山で妖気を吸って育ち天狗が刈り取ることによって
微弱ながらも風を操ることができいつまでもその青々しさを失わない
上記のとおり侵入が困難とされる妖怪の山に生えたヤツデの葉を天狗に刈り取ってもらう必要があるので
見かけはただの葉っぱながら非常に希少価値の高い一品となっている
つまり今回もうまく相談すれば素晴らしい道具が手に入るかもしれない
道具をこよなく愛する彼にとって彼女は別の意味での上客なのだ


「この羊羹おいしいですね香霖堂さん」
切り分けられた羊羹をさらに小さく切り分けて一口サイズにして上品に口に運ぶ
舌を羊羹の上品な甘みが通り抜けてゆく、羊羹を口に度に何とも幸せそうな顔をする
「さて君の新聞の年間購読の契約だったね?」
「はい!よろしければ今年も購読を続けていただければ幸いなんですが………」
語尾が自然と弱まるもう少し自分の持っている手駒に自信を持ってもいいだろうに
「もちろん今回も粗品を贈呈させていただきます、今回はとびきり凄い物を
 なにせたった一つだけのものですから」
たった一つだけ………このフレーズが気になるがとりあえず悟られないように一歩引いた返事を返しておく
「無理はしなくてもいいよ、君の新聞は中身が詰まってる
 それが読めてなおかつ物まで頂いていては道具屋の面目が潰れるよ」
「そ、それじゃぁ」
「契約用紙を出してくれないか?すぐにサインと判子を押すよ」
彼女の表情がパァっと明るものになる
毎年ドキドキしているこの時期のいちばん最初の相手に契約が貰えたんだ無理もないか
「あ、ありがとうございます!!」
椅子から立ち上がって頭を二、三回ペコペコと下げる
「これでいいかい?」
契約用紙を渡すと射命丸は記入漏れが無いか確認すると
その要旨を丁寧に折りたたみ自身の文花帖と名づけた手帳に挟みこむ
「確かに契約更新確認させていただきました、これからも文々。新聞をよろしくお願いします!!」
霖之助に向けて少女らしい細い手を差し出す、握手の申し出だ
「あぁ、こちらこそよろしくこれからもよい記事を期待してるよ」
期待の念をこめてその手を握り返す、期待はもちろん粗品に


お茶と羊羹を食べ終えた後に他にも回らなければならない契約者がいると言って
二、三度玄関でお辞儀をするとそのまま飛び立っていってしまった
「もちろん粗品は贈呈する、っか………ふふ」
思わず笑みがこぼれる
(今回は一体どんな道具なのだろうか?やはり天狗らしく天狗の隠れ蓑だったりするのだろうか?)
だとしたら困ったことに非売品だな、そんな事を考えながら霖之助は自分の顎をさすり期待に胸をふくらまさせていた


後日、この期待は裏切られることになる
あれからしばらくして新たな文々。新聞が配られた
勿論、霖之助のところにも配られたのだが、新聞を開けてみると
『一番』っと書かれた髪が新聞の間に入れられていた
その事を射命丸本人にと聞いてみたところ
「あややや、香霖堂さんの所から一番はじめに配ってるってことですよ」
っと屈託のない笑顔で答えてくれた
彼女いわく号外も一番はじめに配るらしい



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