十四朗亭の出納帳

アニメの感想、ゲームホビーの感想など 作品のジャンルにこだわらず書いていく予定です,SSとか書いてます

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十四朗

Author:十四朗
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朱鷺は炬燵で微笑む

リク?の朱鷺霖です。
うん、遅くなったね。
ネタが思い浮かばなかったんですよ。
ハッハッハ、まいったね。

出来たはいいけど内容は朱鷺霖と言うほどのものでもなかった気がする。
てか短いよ。
待たせた割には短い、クレームが付いてもいいレベル。


『朱鷺は炬燵で微笑む』


朱鷺子、霖之助






霖之助は目の前で炬燵に入りながら本を読んでいる少女の事を朱鷺子と呼んでいる。
霖之助だけではない、彼女の知り合いのほぼ全てが朱鷺子と呼んでいた。
彼女と知り合うとまず最初に名前を聞く、だが彼女は名前を聞かれてもこう答えるのだ。

「多分ないよ、でもみんなは朱鷺子って呼んでる。
 私はそれが気に入ってるからそれで呼んでほしいな」

そう静かに答える。
だからみんなこのとびきり本を読むのが好きな妖怪の事を朱鷺子と呼ぶ。

霖之助が朱鷺子と知り合ったのは一昨年の事。
香霖堂へ来る途中の霊夢に運悪く見つかり、
手酷くやられたのに加え、略奪された本を取り返しに来店した事がきっかけだった。
その後、運悪く居合わせた魔理沙と弾幕勝負になり、
一日に二度もボロボロにされると言う貴重な経験をしてその日は帰って行った。

だが後日彼女はまたやって来た。
その日は霖之助にとって運が悪く、朱鷺子にとって運がいい日だった。
なんせ霊夢と魔理沙が居ないのだ、これなら好きな様に出来る。
人が居ないのをいい事に、
本を返せとジリジリにじり寄ってくる朱鷺子に、
霖之助は頭を抱えると朱鷺子の最後の催促にこう言ってやった。

「あの本はもう僕の物だからアレを無償で譲る事は出来ない。 
 でも君がこの店の本を読みたいと言うのなら騒がしくない範囲で読んで行ってくれて構わない。
 それに君が対価を払うと言うのなら好きな本だって売ろう」

朱鷺子は二、三度「うーん」と唸ると少々渋い顔で了承した。
後で聞いた話だが朱鷺子は本を誰かから買った事がないらしい。
何時もそこら辺に落ちている外の世界の本を拾っては読むだけだった様だ。
だが朱鷺子的にはこうして読む本の選択肢が増えるのはありがたいが、
自分の本が盗られたままと言うのは納得がいかなかったらしい。

この話をして三日もしない内に外の世界の道具を拾ってきて自分の本と交換していった。

その後は霖之助の提案に乗っ取り偶に来ては本を読んで行ったり、
気に入った本を物と交換して言ったりしている。
何故か彼女の気にいる本と霖之助が気に入る本がよく被るので、
取り合いになったりする事もしばしばだ。

そんなこんなで彼女が本を読みに来ている時は、
色々ありながらも賑やかな時間だった。




「ふぅ、続き続き………あれ?」

読み終えた本をパタンと閉じて炬燵の上に置く。
背表紙に3と書かれている事からして続き物の本らしい。
続き物とあれば当然続きの巻があるはずなのだが。

「続きなら店の本棚だね」

「えぇー寒い」

「そんな事言っても取りに行かなきゃ続きは読めないよ。
 本が自分から読まれにやって来る訳ないからね」

「りんのすけが取ってきてよ」

「断る、僕も寒い」

「ぶーぶーそんなんだから店が駄目なんだよ」

酷い言われ様だ、読ませてもらっている身分で随分な事を言ってくれる。
確かに一度入ってしまった炬燵から出るのは気持の決心がいるが、
炬燵の温もりに甘えているだけでは事は進まないだろう。

「もういいや、ねぇ私が今日持ってきたお蜜柑あったよね?
 あれ食べようよ」

「君から貰った時点でアレはもう僕のなのになんだいその言い方は」

「いいじゃない、早くお蜜柑食べましょうよ、お蜜柑」

「台所に置いてあるはずだから自分で取って来るといい」

「だーかーらー炬燵から出たくないって言ってるの」

「僕だって出たくない」

「お蜜柑食べたくないの?」

「………ちょっと欲しい」

炬燵を挟んでの睨み合い。
微笑ましい光景に見えるが本人達はいたって真面目だ。

「なら取ってこようよ。
 私はあんな隙間風がビュービュー吹いてくる廊下歩くの嫌だよ。
 りんのすけはずっとここで暮らしてるから気にならないと思うけど」

「気にならない訳ないだろう、
 ただ直さなくても暮らしに支障はないから直さないだけなんだ」

「無精者!」

赤と白の羽をパタパタとさせ非難の声を上げる朱鷺子。
見かけが子供なら中身も子供という事か。
この子は一度思った事を中々諦めない。
根っこの部分で霖之助と同じように負けず嫌いなのだろう。
そうでなければあの時ボロボロになりながらも、
本を返してもらいに香霖堂へ乗り込んでは来なかったはずだ。

猪突猛進と言うかハングリー精神と言うか、
とにかく朱鷺子の諦めの悪さについてはよく知っている。
ここは自分が折れるより他にない。

甘やかしすぎはいかがなものかと思うが。

霖之助は不意に炬燵から立ち上がる。
炬燵から体を出した瞬間、冬特有の寒気が全身を包みこんだ。

早く用件を済ませて戻って来なければ。

「まったく仕方がないな君は」

霖之助の立ち上がった意味を察したのか、途端に朱鷺子の顔が明るい笑顔に包まれる。
そしてそのまま満面の笑みで。

「ありがとうりんのすけ!」

お礼を言われた。





「んー甘酸っぱぁい!」

「蜜柑をご堪能中に悪いけど蜜柑の汁で本を汚さないでくれよ」

「本を愛し生涯の伴侶と決めている私がそんなことするわけないじゃん」

「だといいんだけどね」

先程と同じ構図で炬燵に入り蜜柑を食べる二人。
朱鷺子の傍らには背表紙に4と書かれた本が置いてあった。

満足げに笑みを浮かべる朱鷺子に対して何時もの仏頂面の霖之助。
まぁ確かにこの蜜柑は美味しい。
寒さの中で熟成された甘みと言うのか、そんな気がする。

「ね?やっぱりお蜜柑食べようてのは正解だったでしょ?」

「ふむ、確かに君の我儘にしては悪くはないが」

「ないが、なんなの?」

「蜜柑を食べると蜜柑の汁が手に着いてしばらく本が読めなくなる」

「……………やっぱり美味しいわねお蜜柑」

「逃げたな」

「逃げてないよ、全然逃げてないよ」

異物誤って飲み込んでしまった鶏の様な顔をした朱鷺子を視界の外に、
霖之助は軽くため息をついた。

彼女みたいな読書仲間がいれば冬は退屈しなさそうだ。

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