十四朗亭の出納帳

アニメの感想、ゲームホビーの感想など 作品のジャンルにこだわらず書いていく予定です,SSとか書いてます

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十四朗

Author:十四朗
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水平線と地平線

遅くなりました!リクの小町霖です。
小町のキャラがむずかったー
てかあの二人は良き友人以上のポジションで書けない!

とりあえず次回のSSは椛か文になる予定。
あやあやあーやあやか、もみもみもーみもみか。
うーん、どっちにしようか迷うZE


『水平線と地平線』


森近霖之助、小野塚小町









「なぁ小町、君は水平線や地平線と言う物を見た事があるかな?」

「ん?いきなりどうしたんだい?そんな質問をして」

真っ赤な彼岸花が敷き詰めらた様に咲き誇る無縁塚。
普段なら誰も近づかず、見向きもしないこの場所で話をしている男女が一組。

男性の方は、今は枝だけとなっている桜の木を背もたれにして煙管を吸い。
女性の方は自身の所有物である曲がりくねった大鎌を桜の木に立て掛け、
丁度木を挟んで背中合わせになるように座っていた。

男の風貌は、白みがかった銀髪に飾りっ気の無い眼鏡を掛けた、二十代半ば程の優男。
まだ青年と言う呼び方が似合う外見だ。

女の方は、彼岸花に似た真っ赤な赤毛と腰かけた状態でも分かる程の、
女性にしては高めの身長。
そして傍らには先ほどの大鎌が立て掛けてあった。

大きな鎌と言う事で大体予想がつくだろうが、
この女性は死神だ。

死神と言っても生者の命を借り取ったり、
死期が近付いている者をそそのかしたりする類の者ではない。
大体そんな物は死神ですらない、単なる悪魔か悪霊だ。

そういったネガティブなイメージは想像から出来たもので。
本来の、幻想郷に置いての死神はこれとは異なる。

死神とは閻魔の管轄の元、閻魔の裁判を記録したり、
生きている者の寿命の管理、地獄の受付や三途の川の船頭をしたりする労働者の事だ。

そして彼女はその中でも最も肉体労働が過酷な船頭の仕事をしている。
名を小野塚小町と言う。

「いや、なんとなくね。
 この間外の世界の風景写真を載せた本を読んでいたものだから。
 ちなみに僕は水平線なら何度か見た事があるよ」

「へぇ、旦那がねぇ。少し意外だよ、いつ見たんだい?」

「幻想郷へ来る前、外の世界の海辺の町へ行った時にね」

旦那と呼ばれた男性、森近霖之助は、
別に自慢する風でもなく何時ものように答えを返した。

「あたいも何度か見た事があるかなぁ、水平線」

「ほぉ、君は何処でだい?」

「三途の川でだよ、川の対岸が見えないような輩の魂を運ぶ時とかさ」

「成程、でもそれだとあまり気分は良くないね」

「たいして変わんないさ、善人だろうと悪人だろうと魂は喋んないし。
 まぁあたいは喋るけど」

「僕が川を渡るときは君以外の船頭にお願いしたいな。
 せめてあの世へ行く時ぐらい静かな船旅を楽しみたいし」

「はっはっは、無理無理。 
 まぁ退屈はさせないから安心しなって」

お互い木を挟んで背中合わせの格好なので表情は掴めないが、
小町はケタケタと笑って楽しそうだ。

「話が脱線したね、君の話を聞く限りお互い水平線は見た事あるみたいだね。
 なら地平線の方はどうだい?」

「いや、あたいは見た事がないねぇ。
 ずぅっと向こうが見渡せる平野なんてお目に掛った事がないから」

「そうか、僕も生で見た事はない。
 君が言うようにずっと向こうが見渡せる平野なんてないしね。
 おそらく外の世界でも駄目だろう、あの国は平地が少ないから。
 さっき言ってた本で見たくらいかな」

「まぁそんなもんだろうね。
 ところで旦那、隣に場所を変えてもいいかい?」

「ん?あぁ構わないよ」

「ありがとう、んしょっと」

そんな年寄り染みた声をあげ小町が立ち上がって霖之助の隣へと移る。
座る時はよっこらせ、なんてこれまた年寄り臭い声をあげた。

霖之助は小町のこういう仕草を見るとついつい口元を緩めて笑ってしまう。
実に彼女が人間臭いからだ。

口ではああ言ったが、霖之助はこの友人に魂を運ばれるのも悪くないと思う。
これから先、人間の常連達が居なくなれば寂しい商い生活になるだろうが、
彼女みたいな友人が飲み仲間にでも居ればその寂しさも紛れるはずだろう。

昔はあんな事した、あんな奴がいた、こんな事があった。
そんな風に笑い合いながら昔を語り、そして自分の番を迎えたい。

今から考えるのは早すぎる事だし、普段の霖之助ならまず考えもしない事だが。
何故か彼女と居るとそんな事が頭を掠める時がある。

霖之助が三途の川を渡る時、川の幅が狭いか広いかは分からないが。
きっと彼女が船を漕ぐ音と彼女の話声をを背に渡る事になるのだろう。

「旦那?おーい旦那?」

自分の思考の海に使っていた霖之助を小町の声が引き揚げた。
そんな事を考えるのはまだ早い、きっと隣に居る小町もそうやって笑うだろう。

「旦那も飲むかい?」

そう言って差し出されたのは栓の空いた竹水筒。
旦那も、言う辺り小町が先に飲んだものだろう。

「いいのか……いや、ありがたくもらうよ」

いいのかい、と言いかけて言葉を訂正する。
気さくな彼女が飲むかと言っているんだ、今さら聞き返す事でもない。

霖之助は小町から受け取った竹水筒の飲み口に口を付け、
口の中へと流し込む。

水だと思って飲んだ水筒の中身は酒だった。

「おぉ、遠慮なくいくねぇ旦那」

「ってこれは酒じゃないか小町、まぁ気付かなかった僕も僕だが。」

「日の高い内から飲むってのも悪くないだろう?
 それにこんな量じゃどのみち酔わないって」

「僕はまだ商い中なんだが」

「しててもしてなくても変わんないじゃないか」

隣でケタケタと笑いながら霖之助から返してもらった水筒に口をつける。
この自由人な所とサボり癖さえなければいい死神なんだろう。

もっとも、霖之助にとっては今のままでもいい死神だが。

「そう言えば旦那、地平線を見たいんだって?」

「見たいとは言っていないが、興味はあるね」

「あぁー素直じゃない、せっかくあたいが拝ませてやろうと思ったのに」

「何を馬鹿な事をいって、いや待てよ」

顎に手を当てて考える、確か彼女の能力は確か距離を操る能力だったはずだ。

「おっと、馬鹿な事なんて言わせてやんないよ、ほら」

小町がパチンと指を鳴らすと今まで見ていた無縁塚周辺の森の景色は一瞬にして消え失せた。
代わりに二人の目の前にあるのは何処までも続く彼岸花の平野。
その平野は考えるのも果てしない距離を彼岸花の赤に染め、
ずっとずっと先の方で空と一つになって、一本の線を生み出していた。

霖之助の呼吸が止まる、
瞳孔がどうしょうもなく開かれ、瞬き一つしなかった。
小町の能力が距離を操るものだとは知っていたがこんな事まで出来るとは。

「さっきの言葉は嘘だったのかい?」

「さっきのってどの言葉だい?」

「地平線を見た事がないって言葉だよ。
 こんな事が出来るなら地平線なんて珍しくもなんともない」

「嘘なんかじゃないさ、ただこんな事は試した事がないだけさ。
 距離を遠くして喜ぶ輩はあんまし居ないしね」

小町の感覚では、何となくやったら出来た、みたいな感覚なのだろうが霖之助は違う。
いつか見た水平線を思い起こさせる、ただ果てしない光景。

それが小町が作り出したものだとしても、その光景に霖之助は圧倒されてしまった。

「小町、もう一口酒を貰えるかい?」

「商い中じゃなかったのかい?」

「日が高い内から飲む酒は美味しいからね」

「言うね言うねぇ~ほら」

小町から再び水筒を渡して貰う。
先ほどより幾分軽くはなっているが、それでも量は十分だ。
もしかしたら小町が二人で飲む事を見越して持ってきてくれたのかもしれない。

流石にそれは考え過ぎか、
無縁塚に来たって会うか会わないかも分からないのに。

霖之助は再び目の前の光景を見据える。
赤い絨毯を敷き詰めたように何処までも伸びる大地と空のとの境界線。

彼女の能力と計らいに感謝しつつ水筒の酒を飲む。
こんな友が居て良かったと心の底から霖之助は感謝した。

Comment

#No title
冒頭のセリフで地平線を2回言ってます。水平線が抜けてます。
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  •  | 2009/09/27/11:58:11
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