十四朗亭の出納帳

アニメの感想、ゲームホビーの感想など 作品のジャンルにこだわらず書いていく予定です,SSとか書いてます

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十四朗

Author:十四朗
(じゅうしろう)と読みます
ロボとか好き東方も好き
趣味の守備範囲は日々拡大中
東方の霖之助SSが主流です
一応現役の遊戯王プレイヤー
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大体マルチ対応ゲームやってると思います。

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着せ替え人形師

リクの早霖が詰まったので息抜きに書いてたら何か出来た。
つまり落書きなんです、早く早霖書けよ!!って話ですよね。
アリ霖って何故か霖之助ウィキに名作多いですよね「趣味が高じて」とか。

とりあえず早霖を早めに仕上げるように努力しますぜ!

『着せ替え人形師』


アリス、霖之助








「どうかしら?似合ってると思う?」

「どうって聞かれても着るのは君の人形だろ?
 別に君に似合う似合わないは関係ないんじゃないのかい?」

「むぅ、似合ってるかどうか聞いてるんだからしっかり答えなさいよ。
 そんなだから素っ気ないとか朴念仁なんて言われるのよ」

ッムとむくれた表情で霖之助に文句を言うアリス。
一刻ほど前に香霖堂へやってきて服を見せてほしいと言ってきた。
アリスは割とまともに代金を払ってくれる善良な客なので霖之助も許可したが、
試着するたびに意見を聞かれては読書が捗らないのでハッキリ言って迷惑だ。

「着る前から思ってたのだけれど、足のスリットが深いわね。
 紅魔館の門番が着ている様な服だから動きやすいと思ってたけど、
 こんなんじゃ空も飛べないわ。」

今彼女が着ているのは青色の生地に薔薇の刺繍が施されたチャイナ服だ。

特に目を引く足の深いスリットからはアリスの細い足が太ももまで覗いている。
普段はロングスカートなので日に当たらないのかユリの様に白い。
それが青い裾と相まって中々の美脚に見える。

ドレス自体は華美なデザインだが、
着ているアリス本人が良いためか派手さから来る下品な感じがしない。
さしずめ中国の上流階級のパーティーに招待されたヨーロッパの良家のお嬢様と言ったところか、
霖之助にはそのパーティーがどんなものかは分からないが。

「それはパーティーやお洒落の為に考案されたチャイナドレスだからね、
 本来のチャイナドレスはもっと地味なものだ。
 袖はノースリーブじゃないしスリットも深くない。
 元々結婚式なんかに用いられていたようだからもう少し厳格なものだったはずだよ。」

「へぇ~やっぱり霖之助さんは詳しいのね、そう言う趣味なの?」

「まさか」

やれやれと首を横に振る、誰が服フェチであるものか。

「んーじゃぁ次はこれかしら」

「まだ着るのかい?」

「当然よ、私の研究に手抜きは許されないんだから」

「はぁ、君が着替える度に僕に意見を求めてくるものだからちっとも読書が捗らないんだが」

「あら?私の事嫌いなのかしら?」

「嫌いじゃ無いよ、ただ僕のライフワークを妨害しないでくれって事さ」

「そう、なら次で最後にするわ」

嫌いじゃないんだっと小さな声でアリスが呟いたが霖之助は返さなかった。
定期的に買い物をして行き代金もちゃんと払い偶におすそ分けと称して差し入れを持ってくる、
そんな彼女の事を嫌いになれるわけがない。

「覗いちゃダメよ?」

「はいはい、はなっから覗きはしないよ」

「それはそれで失礼なんだけど」

「覗くっと言えば良かったのかい?」

「ば、馬鹿!!」

そうピシャリと言うと浴衣を手に持って店の奥へと消えて行った。
心なしか顔が赤かった気がする。

「まったく、落ち着いた子だと思っていたけど見かけ通り歳相応な所があるものだな」

パタンと栞を挿んで本を閉じる。
最後ぐらいしっかりと付き合ってやるか、何着か買っていくかもしれないし。
そう思ってアリスが消えて行った店の奥を見つめる、彼女が手に持っていったのは浴衣だった。

「着付けに関しては大丈夫だろう、結構器用みたいだし」

そう自分に念を押して彼女を待つことにした。





「霖之助さんどうか……しら」

先ほどと同じように店の奥から出てきて霖之助へ意見を求める。
だがその顔は驚いたような怪しむような表情で満ち溢れていた。

「どうしたんだい?」

怪訝な顔をしたアリスに質問する。

「いや、まさか私が着替えるのを待ってると思わなくて。
 また適当に本でも読んでるものだと思ってたから」

「最後だって言うものだから待っていたんだよ」

「そう……待ってってくれたんだ」

俯いて一人頷くアリス、そんな姿が少し可笑しい。
思わず笑いそうになったが一歩踏みとどまって堪えた、笑ったら彼女が怒りそうだ。

「そ、それで、どうかしら?
 色とかスタイルとか姿勢とか、似合ってる?」

だから人形に着せる服のモデルを霖之助に聞かれても困るのだが
ここは素直に彼女の言葉に従ってみる。

先ほどのチャイナドレスと同じく青色を基調とした布地のようだが今回は柄が違う。
さっきのは花をイメージしていたが今回は水面をイメージしている。

裾から胸元へかけての濃い青から淡い青へのグラディエーション、
水面を彩る蓮の花をあしらった模様は主張しすぎず嫌みったらしくない。

着ているアリス本人の身長が少女としてはやや高めで手足が長い事もあって、
西洋人的な彼女の外見にも関わらずよく似合っていた。

「あぁ似合っているよ」

「ホントに?リップサービスじゃなくて?」

「知り合いにお世辞は言わない事にしてるんだ」

「ふふふ、結構な心がけね」

ニコニコと笑うアリスを見て霖之助も笑みをこぼす。

「あぁそうだ、ついでだから髪を結ってみたらどうだい?簪を何本かあるし」

「いいの?売り物でしょ?」

「雑に扱ったり壊したりしなければいいよ、
 試着するのはお客様の権利だからね。それに君なら壊したりしないだろうし。」

「あら、信用があるって事?嬉しいこと言うじゃない。」

嬉しそうに商品の簪の中から気に入った物を取り出す。
だがアリスは簪を取りだしたところで固まってしまった。

「付けないのかい?」

「え、あの。これってどうやって付けるの?」

ズザーっと思わず頬杖を崩してしまう。
浴衣の着付けは出来るのに浴衣の時の髪の結い方は知らないとは。
確かに彼女の様な肩にぎりぎりかかる程度の長さなら結わなくとも十分だが。

「ちょっと待って!何よその反応は!
 私和装なんてしないから最低限の着付けぐらいしか知らないわよ!」

霖之助の反応を見て呆れられたと勘違いしたのか、
アリスは半分逆ギレ気味にに取り繕う。
別に霖之助は呆れた訳ではないが意外な一面に少し面喰らった。

「分かった、分かった。ちゃんと結ってあげるから。
 椅子を持ってこっちへ来なさい。」

「むぅーそこまで言うんだったらそうしてあげる。
 でもお祭りに行く訳でも無いのに変な気分。」

口を尖がらせたアリスがカウンターの椅子を霖之助の前へ移動させる。
馴れない浴衣なのかよろよろとしていて危なっかしい。
やがてアリスは霖之助の前まで椅子を持ってきた椅子頭のカチューシャを外してから座った。

「まぁいいんじゃないか、いろんな文化に触れてみて分かる事もあるだろう?」

「当然よ、そんな事ぐらい言われなくても分かってるわ」

「はいはい、それじゃぁ失礼するよ?」

髪を触らせるという事は女性にとって
デリケートな事なので真摯な態度で櫛を彼女の髪へ入れる。

細くしなやかな彼女の金髪は霖之助が櫛を入れてもまったく引っ掛からない。
生際から裾へ、髪を慣らして纏めて行く。

「ん……優しい手付きね、それから手がおっきくて柔らかい」

「手が大きいのは僕が男だからなのと、君が小顔だからだよ。
 手付きが馴れてるのは「昔魔理沙に良くしてあげたから。でしょ?」」

「あぁそうだよ、まったく何で先に言うかな」

「だっていっつもそれじゃない、案外霖之助さんの家庭スキルは全部魔理沙に鍛えられたのかもね。」

「掃除、洗濯、料理、裁縫、子守………悔しい事に全部魔理沙だ」

「ホントにお兄さんみたいね、兄さんって呼んでいい?」

「遠慮して貰いたいね」

「ならお姉さん?だとしたらおっきな弟ね」

「ほら、そんな事言っている間に出来たよ」

溜息をついてアリスに手鏡を渡す。
肩にかかるくらいだった髪を纏めて結い上げ彼女が選んだ簪を挿してみた。
風鈴を元にしたデザインが風流でいい、やはりそう言う事に関して彼女は中々良いセンスだ。

「凄い……綺麗に出来てる」

手鏡を見て呆けるアリス、よっぽど気に言ったのか立ち上がってクルクル回ったり袖を振ったりしている。

「喜んでもらえて何よりだよ」

「えぇとっても嬉しいわ。でも残念ねせっかく浴衣を着て髪を結ったのに何処も行かないなんて。」

「まぁ今は夏の終わりだから縁日なんてやってないしね。」

残念そうにするアリスだが無いものは仕方がない。
大体時期が悪いもう九月に入る手前、夏の終わりと言ってもいい。

「そう、仕方ないわね。
 でも気に入ったからこの浴衣買うわ、お幾らかしら?」

「えーっとそれはそうだね、 
 そこそこ良い物だと思うし帯もプラスして…………こんなもんだね」

自分の目利きと相談しながらパチパチパチっと算盤を弾いて勘定を出す。
彼の言葉通り算盤には結構な額が弾き出されている。
具体的に言うと里で半月暮らせるくらいだ。
アリスはそこそこ裕福だが浪費家ではない。
普段は紅茶等の嗜好品や人形に使う布や糸等決まった物しか買わず、
極力無駄な出費を抑えるようにしている。

そんなアリスだからこの数字を見た時結構渋るだろうと霖之助は思ったが、
アリス本人は一瞬だけ考えた顔をした後すぐに「買うわ」っとだけ言った。

「おいおい、いいのかい?結構高いのを分かってるんだろう?」

「だって研究の為の資料だもの、出費は当然よ。
 流石にそれだけだと一回払いは無理だけど今持ってるだけのお金は置いて行くわ」

買い物をするために膨らんだ財布の中から、
アリスがお金を全て抜き取ろうとするがその行動を霖之助が遮る。

「おっと待ってくれ、その簪はサービスさせてもらうよ。
 いつも香霖堂をご利用いただいているお礼にね。
 だからお代は………こんなものかな」

さっきと同じようにパチパチと算盤を弾く。
だが今回はさっきより大分安い、今のアリスの所持金でも不足なく払える。

「そんな、安すぎるわよ霖之助さん!
 そんな商売ばっかりしてるから何時まで経っても店員の一人も雇えないんじゃない!」

「雇えないんじゃない、雇わないんだ。
 別にいいんだよ今までの様に君が常連としてここへ来て、
 商品を買って行って元を取り返してくれたらいいんだから。」

「でも………」

「人の好意は素直に受け取るものだよ。」

「………分かったわ。腑に落ちないけどそれで買ってあげる。」

値切る方と粘る方が逆になっているが霖之助が気にしてないのでいいだろう。
アリスが値段分のお金をカウンターへ差出し霖之助が過不足ないか確認する。
彼女はまだ負けてもらった事に不服なのか勘定の最中は終始無言だった。

「まいどあり、香霖堂のまたのご利用をお願いします」

「はいどうも、お節介焼きの店主さん」

「褒め言葉として受け取っておくよ。
 それで君はその格好で帰るのかい?」

「えぇ、気に入ったし着替えるのが面倒なんだもの。
 着て来た服は今日買った物を持って帰るように持ってきた袋に入れて帰るわ。」

トートバックとか言う奴だろう、
幻想郷ではまだ風呂敷に入れて物を運ぶ人が多いが彼女みたいな西洋派はそう言うのが好きらしい。

「あ!そうだわ霖之助さん!今いい事思いついたの」

トートバックに来るとき来た服を詰めていたアリスが唐突に顔をあげた。
これは名案!っと言う顔をしている辺り何か思いついた様だ。

「夜雀の屋台に行きましょう、
 安くしてもらったからお金も余ってるし私が奢るわよ。」

「いや、それは悪い。そんなに気にしなくても」

確かにあそこに行けば夕食は作らなくていいし美味い酒と八目鰻が食べられる。
だが商売人として客に夕食代を奢ってもらうのはいかがなものかと思う。

「無理やり安くしといて何が「それは悪い」よ!
 もう決めた事なんだからね、さぁ!早く行きましょう」

グイグイとカウンターの向こうから霖之助の腕を引っ張るアリス。
これは本当にお礼のつもりなのだろうか、
端から見れば無理やり外へ連れ出そうとしているようにしか見えない。

「分かった、分かったよアリス。 
 行こう、行こうじゃないか。だからその手を放してくれ」

「むぅ、駄目よ。逃げるかもしれないじゃない。」

「逃げるわけないじゃないか、お礼なのか嫌がらせなのかハッキリしてくれ。」

「それは………お礼に決まってるじゃない」

その言葉と共にアリスが霖之助の腕をそっと手放す。
アリスから解放された霖之助は乱れた衣服を直し、
財布を腰の道具入れへ入っているのを確認すると
立ち上がって香霖堂の玄関に掛けてある[商い中]の看板を裏返して[準備中]に掛け直した。

「もういいかしら?」

「あぁ、もういいよ。次回からはもっとお手柔らかにね。」

「そうね、ごめんなさい。」

何時もより早い閉店の準備が整ったところで外を見る。
既に外は夕日に包まれじきに日が沈む。
最近は日が沈むのも早くなってきたので夜雀の屋台も早めに開店する、急がなければ。

「行こうか、もたもたしていると満席になってしまうかもしれないしね。」

「うん」

さっきの様に乱暴にではなく今度はそっと霖之助の腕をアリスが取る。
霖之助もそれに答えるようにしっかりと組んだ。

少し照れたような人形遣いと楽しそうな古道具屋の店主が腕を組みながら歩いている。
異色の組み合わせに見えるかもしれないが本人達は居たって幸せそうだ。

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  •  | 2009/08/21/10:26:41
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