十四朗亭の出納帳

アニメの感想、ゲームホビーの感想など 作品のジャンルにこだわらず書いていく予定です,SSとか書いてます

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十四朗

Author:十四朗
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貸し借りゼロ

リクの文霖ですよ~
駄目だイミフになった。
すいませェん、何時か他の文霖を書きなおしますから

『貸し借りゼロ』


文、霖之助








「見てくださいよ霖之助さん!
 こっちのお洋服なんて背中が開いてて大胆ですよ。
 それにこっちなんて模様が可愛いです!」

右手と左手に洋服を持った文がキャッキャと騒ぎながら霖之助に問いかける。
そんな文を見て、お願いだからもう少し静かにしてくれ、
なんて目線を霖之助は送ったが無駄に終わった。

今二人がいるのは人里、それも洋服屋だ。

この洋服屋は最近出来た若者に人気の店らしく。
今までにないデザイン等が人気らしい。
主に外の世界のデザインを取り入れた服などだ。

「聞いてますか?霖之助さん」

「あぁ聞いてるさ、それよりまだなのかい?
 店員への取材は終わったし、店の商品も十分見ただろう」

文々。新聞のネタを探すための取材。
一応今日二人が人里へ来た理由はそれだ。
昨日の昼頃に文が香霖堂へやってきて取材を手伝って欲しいともう出て来た。
勿論面倒なので断るつもりだったが、
天狗の面白い道具を一つ、お代として渡すと言う事で思わず即決してしまった。

そして今、あの時即決したのを後悔している真っ最中だ。
こんなに時間がかかるのなら着いて来るんじゃなかった。
大分前に里のカフェでサンドウィッチとコーヒーの昼食を食べてから、
ずっと文に振り回されっぱなしの気がする。

珍しい道具を出せば簡単に首を縦に振ると言う癖を直した方がいいのかもしれない。
もっとも、ある種の職業病に近い物ではあるが。

「むぅ~もうちょっとだけお願いします。
 霖之助さんはどんなのが可愛いと思いますか?」

「知らないよ」

「うわ、そっけない……」

後ろも振り向かずに霖之助は近くにあった上着を手に取ってみる。
彼が手に取ったのはパーカーと呼ばれるタイプの衣服で、
頭を覆うためのフードと腹の辺りに大きなポケットが付いているものだ。
霖之助自身も何度か拾った衣服の中に紛れていた物を見た事があるので、
大体のデザインぐらいは分かる。
生憎霖之助は外の世界の衣服はあまり着用しないので使う機会は無いが、
文の取材がもう少し掛かりそうなので、
服のデザインでも見て今度自分で服を作る時の参考にでもしようと言う訳だ。

「なぁんだ、霖之助さんもこのお店のお洋服に興味があるんじゃないですか」

「僕のは職業病だよ、
 こんな場所に居るとつい新しいデザインのアイディアでも落ちていないか探してしまうんだ」

「それって魔理沙さんの服ですか?」

「まぁそうなるかな、霊夢は巫女服にしなきゃいけないから大胆なアレンジは出来ないしね」

「あの巫女服は大胆アレンジじゃないんですね」

あの巫女服とはどの巫女服の事だろうか、霖之助には皆目見当がつかない。

「他にお洋服を作ってあげたりするお方はいないんですか?」

「今のところは居ないね、新しい物を作るよりも修繕の方が多いかな」

「ふむふむ、成程。参考になります」

そう言いながら彼女は文花帖と名付けた自分のメモ帳へ何かを書き足した。
興味の対象が霖之助へと移ったらしい、言動が完璧に記者モードだ。

「おいおい、僕の言った事を書き足してどうするんだい」

「ちなみにお洋服の方は他の方でも発注出来るんですか?」

「まったく、あくまでその話題で引っ張るつもりかい。
 そうだね、僕の気分とお代しだいかな。
 型紙もないゼロの状態から始めるとなると結構手間がかかるしね。
 そこに顧客の個人的な要望を加えて行くと別途の料金を頂くかもね」

「でもあの二人からはお代を頂いてませんよね?」

「頂いてないんじゃない、払ってくれないだけだ。
 だから実質的にはツケだよ、一向に減らないけどね」

「ふむふむ、店主さんと仲良くなれば料金がタダになる、っと」

「そんな訳ないじゃなだろ、それくらいはちゃんとした事実を書いてくれ」

「それではまるで私が事実を書いていないみたいじゃないですか」

「キッチリ裏を取ろうとする心掛けは素晴らしいと思うが、
 書いてる内容がね、うん」

やれやれ、といった感じで霖之助は肩をすくめるが言動にはあまり毒気がない。
霖之助には元から彼女の新聞の内容にケチを付ける気などない。
それは彼が彼女の新聞事が好きだからだ。
内容はともかく彼女の新聞は自分で情報を噛み締め飲み込む事が出来る貴重な新聞だ
似たような新聞が沢山ある幻想郷で文の様なタイプの新聞は珍しい。

彼女は新聞を通じて読者へ自身が取材で得た情報を投げかける、
こう言う事があったけどどう思う?っと。
投げかけられた読者はその情報を紐解き各々の考えを見つけ出す。
小さくページ数も少ない新聞だが考察の為についつい何度も読み返してしまう。
そして幾度にもわたる考察の末に。
きっとあの事件の犯人は誰それだ、とか。
あの現象はこんな事のせいで起こったんだ、などの答えを見い出す。

それは他の天狗が書く、
ゴシップに汚れた味の薄い新聞などとは比べ物にならない上質な知識の味。
だから霖之助にとっては他の天狗と同じでは困るのだ、例え発行部数が伸びなくても。

「そろそろ出ましょうか、店主さんも飽きてきたみたいですし」

「あぁそうしよう。それでこの次はどうするんだい?」

「もう帰りましょうか、
 私一人だけならまだしも霖之助さんと一緒なら途中まで歩いて帰る事になる訳ですし。
 今日取材をしたお店の情報を纏めて本日はお開きと言う事にしましょう」

「よし、その言葉を待ってたんだ」

「もう、まるで私と一緒に居たくないみたいですね」

ッムとした顔で霖之助を睨む。
睨まれた当人である霖之助はどこ吹く風だ。

「別に、君と居るのは楽しいよ。
 ただ服を見る時間が少し長いかな、てね」

「え?楽……しい?」

ポツリとそう呟くと慌てて文花帖で自分の顔半分を隠す文。

「そ、そんな。楽しいだなんて……」

「さぁ行こうか、そろそろ夕暮れだ」

「あやぁ!待ってくださいよぉ!楽しいってどういう事ですか!?」

真っ赤な顔で霖之助を追いかける文とまったく意に返さない霖之助。
彼の態度は故意か無意識なのか、まぁそのどちらにしても酷い事には変わりない。




楽しい、楽しい!楽しい!。
今日はいい日だ、取材を口実に彼を人里に誘ってみたが上手く行った。

一緒にカフェでお昼を食べて、色々な場所へお買い物に行って。
沢山お喋りをして、一緒の時間を過ごして………きっとこれがデートとか言うやつなのだろう。
彼と一緒に居る事を想像した事は何度か有ったけど、こうして一日中一緒居たのは初めてだ。

それに、彼も楽しいと言ってくれた。
彼の事だからお世辞や冗談かもしれないけど確かに私は聞いた、楽しいと。
その言葉を聞いた私は今日初めて嬉しくなった。
少なくとも嫌われては無い様だ、安心した。

そんな彼と私は今、香霖堂へ続く道を歩いている。
私だけ飛んで帰るのは簡単だが、せっかく着いて来てくれた彼を置いて行くなんて論外だ。
キッチリ最後まで一緒に居なければ。

沈みかけの太陽の赤みと夜の群青が混じり合う不思議な時間帯。
速くしないと完全に夜の帳が下りてしまう。

半妖の彼と天狗の私だから間違っても妖怪に襲われると言う事は無いだろうが、
日が沈むと少々面倒だ。

そう思って私は私の少し後ろを歩く彼に少し速く歩くようにと急かす。
彼は渋りながらも歩幅を私と同じ幅に合わせてくれた。

私の視界の外で揺れる彼の腕。
この腕を、手を掴んで歩けたら、私は凄く嬉しいし楽しいだろう。
でも、彼と私の距離はまだそんな近くない。
きっと嫌な顔をされて手を振りほどかれるのがオチだろう。

そんな事を考えていると、突然私の右足首に痛みが走った。
グラリと私の視界が傾く。
反射的に上げてしまった声に彼が気付いて私の方に振り向いた。

ぼけっとしていたツケだ、足を挫いてしまった。
我ながら情けない、この程度ならすぐ治るだろうがどうにも恥ずかしい。

ははは、なんて苦笑いで誤魔化していると。
突然右肩の辺りから体が軽くなった。

考えが一瞬遅れて気付く、彼に肩を支えられているのだと。
男性特有の硬い腕、だが決して居心地が悪い訳ではない。
腕から伝わる彼の温かさと気遣い。

私が足の痛みも忘れてあたふたしていると、
彼が「まったく、なにやってるんだか」っと声をかけて来た。
呆れたような声色だが顔は心配そうだ。
私を心配してくれている?そんな馬鹿な。
彼が、彼があの二人以外の事を心配するなんて!

声が出ない、お礼を言わないといけないのに。
大事な所なのに俯いてしまって中々言いだせない。
考えが纏まらない、顔が熱い。
胸の鼓動が速く呼吸が苦しく感じる。
喋ろうとしても呂律が回らず、口から出るのは言葉にならない声だけ。
何をしているんだ射命丸文、何時ものトークはどうしたんだ!

そうこうしている内にも彼が歩みを進め始める。
彼に肩を持たれている私もそれに釣られて私の足も進む。
言わないと、言わないといけないのに。

えっと、えっと………

さらに加熱する私の顔。
今が薄暗い時間帯でよかった、ただでさえ恥ずかしくて堪らないのにこれを見られたら……
とにかくお礼を、お礼を言わないと。

本格的にこの感覚に心を奪われる前に、言わないと!

Comment

#No title
やはり文は他のキャラに比べて
立場が対等なのが魅力的ですよね。
テンポが良く実に読みやすいSSでした。
  • by:
  •  | 2009/10/18/09:27:41
  •  | URL
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#No title
続き待ってます!
  • by:点点
  •  | 2012/08/05/19:30:58
  •  | URL
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